僕は今年初めてアメリカのメジャーリーグチームに入り、沢山の経験や勉強をさせてもらいました。

2月のスプリングキャンプからこれまで、2Aフリスコ、3Aラウンドロック、そしてドミニカアカデミーと、誰しもが出来ないような経験ができたと思います。

その充実感を得て、僕は今年の武者修行最終地であるアリゾナ・サプライズにまた戻ってきました。

 

 

 

ここでの目的は、インストラクショナルリーグ(lnstructional league)と言って、若手の教育を目的とした日本流で言うと"秋のキャンプ"です。

参加選手は、ルーキーリーグ、ローA、ドミニカアカデミー、そして今年ドラフトされた選手という若い選手が中心の集まりです。

その中でも、日本と違い7月にドラフトされた選手がシーズンオフを前に参加できるシステムは本当に良いなと思いました。

(日本のプロ野球では新人選手はオフ明けに入団するので、パフォーマンスが落ちてしまったり、体型が変わってしまうパターンもよくありましたので…)

 

この期間では、練習や試合そして沢山のミーティングがあり、練習の目的意識やテーマもはっきりしています。

何を課題として取り組んでいくのか、またそれを試合や実践形式練習で確認していく。

そして沢山のミーティングで野球(メカニックや投球に繋がる知識など)を勉強したり、プロ選手としての意識の持ち方などの教育的な部分に多くの時間を費やしています。(練習よりミーティングの方が長い日も多いです笑)


これは本当に素晴らしいことだと思うし、普段選手と接する時にその都度伝えることも大事ですが、こうやってミーティングという形で改まって伝えることで、より選手に響くものがあるのではないかと感じました。

 

またコーチ陣に対しても、このリーグには若いコーチばかりが参加していて、"コーチを育てる"という意味合いもあるそうです。

なので、コーチ陣同士で行なうプレゼンテーション(自分の考えの発表)や、"アナリストから学ぶ"時間もあり、それは僕にとって本当に刺激的で勉強になる毎日でした!

 

このプレゼンテーションを聞いて、僕よりも明らかに若いし経験もまだ浅い人達ばかりでも、本当に日々勉強しているのが分かるし、内容も資料も凄くしっかりとしたものを作っていて、

 

「本当に凄いなぁ!

自分はここまで論理的に考えたことがあるのだろうか?

いかに自分がほとんど感覚だけでやってきたのかが分かる。

(まあその感覚の鋭さには誰にも引けを取らない自信はあるけど…笑)」

 

と、自分の無知さを知って少し情けなく思えたり、もっと勉強しないといけないと心の底から奮い立たせられました!

もうこのプレゼンテーションを聞けただけでも「このリーグに参加した価値がある!」と、感激するほどの毎日です。

 

 

また練習においては、この期間にシーズン中にはなかなかできなかったことにも、「思い切ってどんどんチャレンジしていこう、アイデアをどんどん出してほしい」と、選手には当然のことながら、それはコーチ陣にも伝えられます。

 

そんな中、選手は来年に向けたステップアップのためにアピール合戦にもなっています。笑

特にドミニカアカデミーから参加している選手は、来年こそはここアメリカのマイナーチームで野球がしたい!と目のギラつきが違います。

このリーグには若手選手全員が参加出来る訳ではなく、来季以降に期待されている選抜した選手の集まりなので、ここに来れるだけでも期待値が高いということが分かりますね。

 

 

 

そんな選手の集まりとこの環境で、僕は今シーズン初めて本格的に投手コーチとしての役割を与えられることになりました。

 

「シンジ、ここでは投手コーチとして思い切りトライしてくれ!」

と、投手をまとめるコーディネーターからそう言われました。

 

これまでは、あくまでも研修コーチという形でしたので、ほとんど投手コーチらしいことはしていませんでした。

(まあチームの一員として、中に入って、見て感じて学ぶだけでも凄く大きな経験でしたが)

 

そんな僕に少しでも役割を与えられたということが本当に嬉しかったし、これまで僕が過ごしてきたチームでの言動が少しでも認められた証拠だと思うので、本当に「よしっ!やってやるぞ!」という気持ちが沸々と湧いてきました。

またその感情は僕にとって懐かしい感覚でもありましたね。笑

 

こうして僕は若い選手を教える機会を頂き、そして日々の勉強会でも新たな知識を得たりして、毎日が楽しく充実した日々を送ることになったのでした。。