今年アメリカ武者修行に来ましたが、もう一つの楽しみがドミニカでの体験でした。
僕は、ドミニカには過去に大学時代、2013年のウインターリーグと2度ほど行ったことがあったのですが、メジャーリーグ球団のアカデミーはもちろん初めてです。
ドミニカには、メジャーリーグ30球団全てのチームがアカデミーを持っており、ドミニカの選手を中心にベネズエラ、メキシコ、コロンビアなど近隣国の若い選手の登竜門的な存在です。
僕はドミニカにあるレンジャーズのアカデミーにそれぞれ約2週間の期間で、今シーズン2度ほど滞在し経験してきました。
その様子を紹介する前に、まずはドミニカアカデミーとはどういうものかを説明していきたいと思います。
どこのチームも"アカデミー"と名前が付いていますので、僕のイメージは"学校"でしたが、全くそうではありませんでした。
選手はれっきとしたプロ選手の集まりなのです。
アメリカ人以外の外国人選手は、メジャーリーグのドラフトに関係なく入団するので(日本人選手も同じですよね)、個々で球団と契約していきます。
なので、ドミニカを中心とした"ラテン系"選手たちは、アマチュア野球チーム、草野球、民間の野球塾といったところでプレーしている選手が、スカウトの目に留まり契約するという流れになります。
また頻繁にトライアウトも行われるので、球団は常に人材を探している、選手はチャンスをもらえる機会が多い、という環境にあります。
そして契約に至った選手は、みんな大金ではないですが、契約金も給料も報酬として受け取りプレーしています。
また年齢は16歳から21歳くらいの選手なので、選手は練習後に行なわれる様々な授業を、施設内にある教室で受けることが出来ます。
こういう野球だけでなく、しっかりと一般教養を習い、教育していくということも若い選手を預かる球団にとっては大切な義務なのかもしれません。
そういう意味では、学校という側面もありますね。
ドミニカに行ったことがある人なら分かると思いますが、貧富の差が大きく、街はどこも日本のように綺麗という訳ではありません。
全体的に見て、まだまだ裕福な暮らしが出来る人は限られていると思います。
そういう環境で、野球の人気はずば抜けており、男の子ならみんな、当たり前のように野球を始め、まずは全員プロ野球選手を目指すという感じだそうです。
そこには、いち早くプロになってお金を稼ぐ!という強い意識を持っているように感じました。
野球が上手ければ16歳からでも、ドミニカの中では比較的高い給料がもらえる。そのモチベーションがハングリー精神にも繋がり、貪欲な取り組みになっているのだと思います。
そしてドミニカには、日本人では考えられないような身体能力が高く、ひと目見て本当に凄い!と言える選手も沢山います。
中には、16歳ですでに数億円の契約金を手にする選手もいるのです。
実は、いまアメリカのメジャーリーグでは、アメリカ人以外の外国人選手が約30%ほどいて、その中でもダントツで一番多いのがドミニカ人選手です。
そして年間何億、何十億円と稼ぐスーパースターも多く輩出しており、ドミニカではほとんど稼ぐことの出来ない大金を手にする可能性が身近にあるのです。
本当にドミニカ人にとって、みんなが夢を追い、目指せる職業が野球なのです。
そしてアカデミーの施設は、メジャー30球団全てが、3〜5つ程のグランド、ウエイトルーム、宿泊施設、食堂など、全て施設内で練習や試合を行なったり、生活できるよう一つの広大な土地を総合施設として持っています。
また治安のこともありますので、その施設周りには全て柵で覆われており、各出入り口には24時間体制で銃⁉︎を持ったセキュリティが配置されているのです。苦笑
僕もこの施設内の"寮"に宿泊させてもらえたので、食事も寝る場所も安心でした。笑
しかも、レンジャーズのアカデミーは、2019年11月に出来たばかりの、大きくて綺麗なドミニカアカデミー屈指の素晴らしい施設なので、本当に気持ち良く快適に過ごすことが出来ました。笑
そんな小さな国でありながら、野球大国であるドミニカ、そして数々のスーパースターを生んだ環境、未来のスーパースターになり得る若い選手を、自分の目で見て、肌で感じられることが、本当に楽しみでしょうがない僕だったのでした。。