今回は実際2Aの野球を経験してみて感じたことをまとめてみました。

 

レベルとしては、メジャー、3Aにつぐ3番目のレベルということになりますので、日本流でいうと三軍になりますが、日本の三軍とは全くレベルが違います。

ルーキーリーグ、ハイA、ローAで鍛えられ結果を残してきた選手の集まりですので当然実力があります。(たまに2Aからスタートするハイプロスペクト選手もいます)

 

分かりやすいように日本の選手と比較してみると、投手は全体的にストレートは速く、最低でも150km前後です。

ストレートは速いし、キレの良い変化球も持っている選手もいるのですが、制球力がまだまだといったところと、調子の波が激しいですね。

 

打者は、パワーがあり強い打球を打つのですが、確率が少し悪いようにも感じます。

また日本のように体勢を崩しながらもバットに球を当てたり、追い込まれたら三振しないよう粘るということはあまりなく、自分のスイングをして当たらなければしょうがないくらいの感じで、一言で言うと投手も打者も荒削りな感じですね。

 

またクイックモーション、守備や走塁なども日本と比べると明らかに隙だらけというか…

もちろんそれよりも重視していることもあるのでしょうが、改善の余地はあると僕は思ってます。

 

しかしこのレベルまで来ると、何か光るものがあり、それぞれの特徴が明確になっているように感じます。

そこを磨いて、確率が良くなり調子の波が小さくなるといよいよ3A昇格となるのでしょう。

 


 

2Aでは来年以降メジャーで導入されるかどうかの試験的な試みも行われます。

今年で言うと、各塁のベース拡大(慣れれば違和感のないくらいの大きさ)、滑らない工夫がしてある球の使用、投球間隔を短く管理するピッチクロックなどです。

 

僕の感覚では、ベース拡大と滑らない球は非常に良いと感じました。

ピッチクロックは時間内に、投手はモーションに入る、打者は構えるということですが、この制度の導入には再考の余地があると思います。

特にランナーがいる状況で時間に焦らされるのは投手も打者も非常に厳しいでしょう。

これまでに何度も時間オーバーして、自動的に三振や四球も見てきましたが、選手は到底納得してないでしょうね。

 

image


image

 

また2Aの選手たちの年齢層は24~26歳が多いのですが、こちらでは次から次へと毎年何十人もドラフトされたり、アメリカ以外の国から契約してくる選手も含めたくさん入団してきますので、競争はかなり激しくなります。

25、26歳くらいの選手はそろそろ3Aに上がらないとメジャーまで辿り着けないのではないか!?という危機感をみんな持っていて、少し焦りが見られる選手もいたりして、そういう立場でもあるということが分かります。

日本の一軍昇格よりもアメリカのメジャー昇格は明らかに狭き門だし、マイナーの年齢層も若いことから、年齢の壁は日本よりも大きいと感じました。

 

そしてもし野球で成功しなかった時のために、オフシーズンやオンラインでの授業で大学の単位を取ったりするという、そういう案内もチームから積極的に話があったりして、もちろんメジャーリーガーになって大金を手にする夢を持ちながらも、今後の人生設計についても真剣に考えている印象がありました。

 

また日本でも大なり小なり同じことでもありますが、チームによって環境の違いや様々な規律やルールの違いがあります。

遠征ではフリスコはテキサス州の真ん中くらいの位置にあるので、バス移動でもまだ最長で6〜7時間ほどですが、テキサス州の端のほうにあるチームはその反対の端にあるチームの球場まで14〜15時間かかることも当然あるので、僕はまだラッキーでしたね。笑

 

チームによっても予算の違いがあるので、ホテルのランクや食事のランクなどの違いがあるようで、レンジャーズは比較的良い方だと聞きます。

もちろんチーム内でもカテゴリーの違いで予算が変わるので当然様々なランクも変わってきますが、僕のいる2Aでは遠征先のホテルも充分綺麗なホテルだし、食事もほとんど不自由なく気に入ってます。

というか、むしろ好みの物ばかりで体重が増える一方ですが…笑

 

image


image


image


image


image


image

 

グランド内のことでもチームの規律はそれぞれ違うということを目の当たりにします。

こちらでは練習ではショートパンツを履いて行なうのが通常で、ユニホームは試合の時以外は着用しません。

しかも他のチームでは、上のTシャツの袖を切ってタンクトップにしたりしてます。笑

2Aフリスコではそれが禁止で、やっぱりチームそれぞれで規律があるのだなと。 

 

image

 

気温の高いある日、相手チームの数人が練習時に上半身裸で行っているチームもありました。笑

そしてピッチング練習も上半身裸で行なっている選手がいたのには本当に驚きました…

それを見た他の選手やコーチも

「信じられない!あんなのプロじゃない!」と呆れかえってましたけどね。

僕もこれは正直やり過ぎだなと思いました。笑

僕たちは袖を切ることも捲ることも基本的に禁止なのでもってのほかですが、こういうチームもあるということです。


大事なことは、ルールや規則の内容が正しいとか正しくないではなく、チームとして明確に方針を決める、そして決まっていることは守っていく。

僕はこれが組織の基本なのだと再認識しました。

 

image

 

また全然話は変わりますが、2Aフリスコのホームランが出た時のパフォーマンスも本当に楽しいです。

フリスコのチーム名は、由来がアメリカ大統領であったセオドア・ルーズベルト大統領(テディベアの相性もこの方の愛称テディからです)の軍隊時代に率いた騎兵隊ラフライダーズからきています。

マスコットキャラクターもルーズベルト大統領の似顔絵です。

 

image


imageimage

 

ある日からラフライダーズ(騎兵隊)のシンボルとして馬のステッキを誰かが購入してきました。笑

そして、その日の一番活躍した選手が「ヒーロー賞」としてその馬のステッキを受け取る儀式が始まったのです。

その後すぐに、そのステッキは試合中もベンチに置かれるようになり、それをホームランを打った選手がそれにまたがりベンチ内を走るというパフォーマンスで流行っていきました。笑

 

image


image

 

ベンチ内での様々なハイタッチやパフォーマンスは日本では思いつかないようなユニークなものが多く、本当に楽しめる瞬間ですね。

こういう日本とは違う雰囲気も楽しみながら、2Aの野球を見る毎日だったのでした。。笑

 

image