開幕3連戦を終え、早速1週間の遠征です。

火曜日から日曜日までの6連戦を、テキサス州南部に位置するサンアントニオという街でのパドレス2Aチームとの試合。

移動はバスで、月曜日は休みでも移動せずホームで一日ゆっくり過ごし、火曜日の早朝に出発してナイター試合に臨むという流れです。

 

僕たちの本拠地フリスコからサンアントニオまで、バスで途中休憩を1度挟んで5時間半ほどですが、僕は長時間のバス移動はそれほど苦でもありません。

というのも、僕がホークス三軍コーチ時代(4年間)は、福岡から四国などへバスで7〜8時間の移動もざらにあって経験してたので。

そしてバスも2台なのでゆったり座れるし、バスにはトイレも付いているので、それだけで僕は安心です。笑

 

 

 

途中休憩では、日本でいうサービスエリアとは少し違いますが、テキサス州発祥のBucee’s(バッキーズ)という凄く人気のあるガソリンスタンド&お店に寄りました。

このバッキーズは、いかにもアメリカらしいスケールの大きなお店で、オリジナルキャラクターも大人気、そして品揃えも大型スーパー並み。

何と言っても手作りのビーフジャーキーが「これでもか!」っていうくらいショーケースに並んでいます。笑

それを見るだけでも圧巻なんです!

 

 

 

 

そして休憩ではみんな思い思いに体をほぐしたり、軽食を買って食べたりしてリラックスしてまたバスに乗り込みます。

このように2Aの遠征は基本的にバス移動ですが、遠いところでも7時間くらいなので、僕はそれほどしんどいとは感じません。

ただし、選手は違いますね。笑

移動してからの試合は凄く心身ともに疲労を伴い大変だし、みんな体も大きいので、車内ではどうやって足を伸ばそうか、どうやって快適に寝れるかなどの工夫が必要となります。

枕は必須アイテムでしょう。笑

また隣りの席にまで足を伸ばす選手、通路に寝る選手など様々な光景が見られるのも面白いですね。笑

 

話は全く変わりますが、僕は試合中どうしているのか?というと。

僕は基本的にはベンチからチームの一員として試合を見ています。

そこで日本と違うのは、ベンチ内にトラックマンという球の質(スピード、回転数、変化量、リリースポイントなど)を図る機器のデータ(数値)が見れることです。

実はこれは僕にとって凄く貴重なことなんです!

というのは、日本ではまだベンチ内にトラックマンの数値が表示される機器を置くことは禁止されているからです。

日本では投手の映像を見ながらでしか、試合での1球1球の球の数値は確認できません。

こちらでは映像ではなく実際の目で見て、それをその場で数値の確認ができる。

自分の目で見た主観と数値をその場で照らし合わせることができるのです。

この良さは現場での経験がある方には、すぐに分かってもらえるでしょう。

 

やっぱり映像で見る球と、実際の目で見る球のギャップはあると言えます。

「何故、この投手はスピードは変わらないのに球のキレがよく見えるのだろう?」

「何故、この投手は打たれやすいのだろう、打ちにくいのだろう?」

という自分の主観と、数値を照らし合わせて色々と考えることができます。

もちろんトラックマンでは表すことのできない部分、評価できない部分もあるので、それを自分の頭の中で整理しながら、想像しながら見るというのも凄く重要で興味深いものがあります。

 

また投げた所も表示されるので、横からのアングルのベンチから見ていると分からない、コースの確認ができます。

たまにストライクゾーンに入ってるのに、主審にボール判定されると、ベンチから

「今の入ってるぞ!」

なんてヤジみたいなことも言われるので、主審はたまったもんじゃないですけどね…笑

 

 

 

データは今の時代、機器の発達で色んなものが数値化され分析でき蓄積できるようになりました。

でも一番大切なことは、その高度な分析を、いかにして活用できるかどうか。

分析だけなら専門家なら誰でも出来ます。

それをどうやって活用し、どうやってアドバイスして、選手の成長に繋げられるのか。

これが指導者(コーチ)として、一番重要であり腕の見せ所なのだと思います。

 

そんな感じで僕は毎試合、投手の良い部分、悪い部分を自分なりに分析したり、また良い投手の条件、共通点みたいなものを自分でまとめ整理しながら、試合を見ていますので退屈することなく(笑)、毎日凄く勉強になっています。

 

そして話は戻りますが(笑)、その初遠征のサンアントニオでの試合は、全ての試合で接戦となりました。

初遠征の疲労も感じさせないほどのみんなの頑張りで、本当に紙一重で逆の結果の可能性もありましたが、良い結果が出て同一カード6連戦6連勝という最高の結果となり、最高の気分で初遠征を終えたのでした。。