選手とも毎日顔を合わせ覚えてもらえるようになったこと、雰囲気や環境にも慣れてきたことで、自分からも積極的にコミュニケーションが取れるようになってきました。

そうすると次第に、選手も近寄ってきてくれることが多くなり、何気ない挨拶くらいですが、確実に言葉を交わすことが増えました。

何より、名前を覚えてもらってからの挨拶も、

「 Shinji, How are you? 」

と、こちらではほとんどの人が名前を言って挨拶してくれるんですね。

 

これは思ってたよりも凄く気持ちの良いもので、日本でもこれは大事だなぁと。

そういやぁ、日本でもそうやって挨拶してたコーチがいたことも思い出しました!

 

そして、僕のコツコツと自分を知ってもらう作戦が功を奏したのか?(笑)、挨拶だけに留まらず、

 

「今日の投球どう見えた?どう思った?」

 

などと、技術面での会話も出てきたのです!

本当に嬉しい瞬間だったし、僕の内心は、

 

「これだよ!これ!!これが本当にここまで来て自分のやりたかったことや!」

 

と、改めて自分の気持ちに気が付いたのでした。

 

また毎朝の投手コーチミーティングでは、前日の練習を見てのコメントをコーチそれぞれが発表していくのですが、当然僕にもその機会が与えられます。

僕はその感想を前日夜にヒロくんに訳してもらい、それを翌朝その場で「一生懸命読む!」ということを毎日繰り返しました。

英語が出来ない僕には読むだけでもハードルが高く感じましたが、翻訳機で発音や単語の意味を調べたりしながら毎日話していくことは、なんだか毎朝英会話学校に来ている感覚にもなりました。笑

 

その内容も、まだ今の自分がいきなり自分の考えばかり伝えると誤解を与えかねないので、日が経つにつれて内容を濃くしていき、少しずつ僕の理論や感覚なども徐々に入れていくようにしたのです。

そうすると、

「素晴らしいコメントだっ!」

っていう言葉がもらえたりして。

内容もそうですが発音が悪い英語でも通じたこと、理解してもらえたことが何より嬉しかったです。笑

 

また練習でもキャッチボールの手伝いや練習道具の準備なども積極的に行い、他のコーチの人たちとも自分の出来る限りのコミュニケーションを取りながら過ごしていくと、キャンプの終盤にはフロントの方からも僕を評価した言葉も頂けるようになってきました。

 

「あなたは他の投手コーチからも良い評判だよ。」

「You are good man!!」

 

これまで辛くてしんどいことも沢山あったけど、気持ち的にも現状から逃げ出さず投げ出さず、真摯に前向きに行動してきて、それが少しでも報われたようで本当に良かったと思えました。涙

 

そしてキャンプも無事終了を迎えました。

キャンプでは常に僕と一緒に行動してくれ、僕のカタコトの英語にとことん付き合ってくれ色々と教えてくれ助けてくれた、もはや僕の親友とも呼べる「Jesus」投手コーチ。

僕が困った時に沢山手伝ってくれた「Kokoris」投手コーチ。

この2人には本当に感謝です。

もちろん他の投手コーチや投手コーディネーター、野手コーチ、スタッフもみんなです。

本当に良い方たちに囲まれて、気遣ってくれ、こんな僕を気持ち良く受け入れてくれました。

僕にとって不安だったアメリカ武者修行は、素晴らしい人柄の方たちばかりだったおかげで、何とか良いスタートが切れたと思えるようになりました。涙

 

いよいよキャンプの後は、シーズン開幕。

僕は2Aのチームからのスタートです。

これからはキャンプの大所帯とは違い、それぞれのマイナーチームに分かれるので、当然1チームの人数も少なくなります。

そうすると、もっともっとコミュニケーションが取りやすくもなり、深く話していくこともできるようになるでしょう。

 

「ようやく取れ始めたコミュニケーションが、より良いものになって、もっと充実した毎日になる!」

 

そんな「希望の光」が僕の中でハッキリと見えてきたのでした。

 

いよいよ次は2Aフリスコ編です!

 

      

(1番目ヘスス投手コーチ、2番目ココリス投手コーチ)