チームのみんなとは顔も見慣れてきて、少しずつ挨拶程度ですが会話も増えてきました。
しかし通訳のヒロくんはずっと一緒にいる訳ではないので、練習中のほとんどは自分1人で何とかしなくてはいけません。
挨拶程度は話せても、肝心な仕事の部分ではほとんど理解できず…
そんな中ある時突然、一つの役割を任されました。
投手の試合形式のバッティングピッチャーの練習で、ただ投手の後ろにいて球数をカウントし、ボールを渡し、内容を見守るだけのものです。
日本だったら何てことない役割ですが、今の自分には、何か大事なことを聞き取れていない可能性もあるので、カタコトの英語でウザイくらい(笑)、何回も確認しました。
初めて役割を与えられたものですから、ちょっと緊張してね。(笑)
それでもスムーズにその役割も果たせ、練習後の投手コーチミーティングでは、自分では予期せぬ?タイミングで感想を聞かれ、
「一瞬エッ!?」
と不意を突かれましたが、これまでの僕なら話せないことを理由に遠慮して言えなかったことも、この時ばかりは逃げ場もなく、咄嗟にカタコトの英語、単語を並べて一生懸命話してみました。
「 I think …his fastball …very good!! 」
「 speed…97mile…96… 」
「 25 pitches …20strike… 」
みたいな、まあ主語も述語もないただ単語を並べただけのめちゃくちゃな英文でしたが、ニュアンスだけでも伝わればいいなと。(笑)
でもちゃんと通じてくれ、初めて僕が挨拶以外の英語を話したのを聞いてみんな喜んでくれたと感じました。
咄嗟に振り絞った英語でしたが、何とか仕事の内容で話が通じたことは僕にとってかなり嬉しい瞬間でした。
「一生懸命話せば、伝わる!」
よく考えたら日本でも同じですよね?
日本にいる時に、外国人がカタコトの日本語を文法もなく、単語を一個一個話していく。
時には間違ったり、何言ってるか分からなくても、聞いていてイヤな事はなく、こっちでも理解しようとする。そして内容が分かる。
「同じことやんっ!」ってね。
僕はそれまで上手く話さないといけないとか、通じるように話さないといけないというプレッシャーを、自分で勝手に作りあげていただけなのだと改めて見直せ、そしてちょっぴり嬉しい日となったのでした。