営業マンは始めて会うお客様の警戒心を解かなければなりません。明るい口調で話を展開して相手と秘密を共有し真面目な話で商談を終える。この一連の流れ「マイストーリー」を作りお客様の警戒心を解いていきましょう。今回はこのマイストーリーの作り方です。

 

マイストーリーが無いと、自分も相手も何を話して良いか分からず警戒心を解く事が非常に難しくなります。どんな人でも相手の事を知る事が出来れば警戒心は薄れていくでしょう。相手の壁を壊すためにも話の流れを覚えてマイストーリーをしっかりと作りましょう。

 

1.楽しさの演出

マイストーリーは人生の「ビフォーアフター」です。昔はこうだったけど今はこうですよ!と明るく話さなければいけません。もし自分の過去を語る時に落ち込んで居ては相手に引かれてしまいます。なので切羽詰まった様な暗い表情で語るのではなくマイストーリーを語る時は笑顔を心がけてください。

 

2.不思議さを演出

初対面のお客様には「え?なんで?」「それどういう事?」と疑問を抱かせて自分に興味を持って貰いましょう。例えば突然「実は昔ホームレスだったんです」と言われたら相手は間違いなく驚いて「え?なんで?」と興味を持ってくれます。

しかし「実は昔ホームレスでした」と言う前に「実は前の会社が倒産してしまい再就職が難航しているしている内に生活苦に陥ってホームレスになってしまいました」と説明をしてしまうと相手は「あ、そうなんですね大変でしたね」と片づけられてしまい、ホームレス生活のインパクトが無くなってしまいますのでインパクトのある冒頭を作ってお客様に「え?なんで?」「それどういう事?」と疑問を抱かせて興味をもってもらいましょう。

 

3.進化を語れ

人は他人の進化に心を奪われます。過去と現在のギャップがそうさせるのです。なのでマイストーリーはその人が過去から現在に至るまでに成長している事が重要です。

もし目の前の人が「親が社長で学生時代からずっと贅沢な生活をしてきて今もその生活を続けています」と打ち明けても全くインパクトがありません。

それは過去と現在にギャップが無いからです。ホームレスから年商10億になった話の方がよほどインパクトがあります。なので今までの人生で自分が進化をしてきた事を相手に伝えて過去と現在のギャップで相手の心を奪いに行きましょう。

 

4.話の構成を考える

初対面の人とは明るい雰囲気で話をしましょう。その方が楽しいしお互いが相手と融和しやすくなります。先ほどのホームレスになったような話をすると雰囲気が暗くなりがちです。陰気臭い表情で暗い過去を語ったらお客様は話を「聞きたくない」と思ってしまいます。なので暗い過去を語る時は明るい雰囲気が必要なのです。

ただし、必要以上に高い声や早口、焦ってセリフを嚙んだりしては意味がありません、声のトーンを落とし、落ち着いてゆっくり話してください。後は礼儀とマナーも大事です。こうしたさわやかな第一印象を残した方が後々商談に有利となります。

 

5.秘密の共有

打ち明ける内容をしっかり吟味する必要がありますが、秘密を共有する事によって相手が接近してきてくれることがあります。「実は…」と言う秘密を打ち明ける行為が特別感を出し相手との関係を親密にしてくれるのです。

注意すべき点は何度も「実は…」とをやると相手は「この人はあちこちで秘密を打ち明けている軽薄な人」と思われてしまいます。後は重すぎる話も禁物です。「実は僕ゲイなんです」と打ち明けたらドン引きされてしまいます。なので打ち明ける内容はしっかり吟味してください。

 

6.最後は真剣さ

マイストーリーは手短に語り、話にギャップを盛り込む事が重要です。明るい口調で展開して時には「実は…」と秘密を明かす。そして最後に真面目な商談で終える。この流れが大事になってきます。

なぜ大事なのかと言うと、学校に何時も乱暴な態度で授業を何時もサボっている不良が居たとします。その不良がある日突然真面目に授業を受けるようになったら周りはビックリしてその不良がとても真面目になったように感じます。それが品行方正な生徒よりもとても真面目に見えてしまう事もあります。

不思議な事ですがこれが人間の錯覚です。このギャップがインパクトになるのです。このようにギャップのある自己演出作戦のもとにお客様の元に出向けば必ずあなたを気に入ってくれるでしょう。

 

このように自分だけのマイストーリーを作って初対面の相手の警戒心を解きどんな相手にでも気に入ってもらえる人になりましょう。