バフェットは、「ルックスルー利益」という考え方をしています。これは、財務諸表の利益とは違っている部分があります。たとえば、20%以下の割合で持っている株の会社に関する「留保利益」は、財務諸表に反映されません。50%以上であれば、完全子会社として連結されるし、20~50%であれば、その株式所有している会社の利益のうち、保有株式に応じて財務諸表に反映されます。20%以下の保有率であっても、ルックスルー利益で考えると、その会社の留保利益のうち、持ち株の比率分は利益が上昇していると考えられます。しかも、バフェットはその留保利益が投資された先で、「どのように再投資されるか」「結果としてどのような利益を生み出すか」にルックスルー利益は依存しているとします。

 7番目の条件は、インフレの場合に、価格に転嫁できるか?です。これは、商品やサービスが持続的競争優位を持っていることの結果でもあると思いますが、スイッチングコストが高かったり、ロックイン戦略が明確にあったりする商品・サービスは投資に値します。


 8番目の条件は、operation cost が高すぎないことです。バフェットは、堅実な会社が好きなので、無駄使いを嫌います。そのお金が、複利で回ったらどれくらい違うのか?という観点から、お金の無駄遣いを見てるところが常人とは違います。


 9番目の条件は、自社株買いをしているか?という点です。自社株買いをすることで、株主から見ると、利率が上がっていいということです。


 10番目が、利益によって付加された価値が、会社の市場価値を上昇させているか?ということです。会社の市場価値が上がれば、利益は上昇していきます。ここで、株価の上昇としていないところがバフェットのバリュー投資のポイントです。会社の市場価値が上がって、市場の占有率が上がり、参入障壁が上がり、利益が増えれば、長期的にみれば株価は上がります。株価の上下に一喜一憂しないというのが、バフェットの一番の言いたいことです。

4.長期負債を5年以内で返却可能 バフェットは、企業の借金を嫌っており、持続的競争優位を持つ会社は、内部留保で十分「投資」は済むとして、大量の長期債務は好んでいません。研究開発にお金がかかり、日々研究開発をしていかないと取り残されてしまう企業も好みません。自動車・コンピューター等の開発重視の会社です。それほど投資をしなくても、持続的競争優位を守れる会社を好みます。


5.競争優位の製品・サービスがある 粗利益や、ROIで見て、競合よりも高ければ、その製品は競争優位があります。その業界でNo1の製品も、持続的競争優位性はもちます。もちろん、SWOT分析や、5 forces分析もやってみて、スイッチングコストが高いものや、参入障壁が高いものが優位になります


6.労働組合がない 労働組合に対して、バフェットは不当に労働者に分配が偏るために、良くないとしています。アメリカで、航空産業・映画会社などはこれに当たります。

ウォーレンバフェットは、投資の際にチェックする条件を10個出しています。それと、SWOT分析、5 forces 分析をしていくと、買うべき株が見えてきます。もちろん、何らかの問題が生じたり、リーマンショックの後のように、皆が超悲観論になっているときこそ、大喜びして株を買うという、マクロな視点も重要になってきます。では、10の条件のうち、最初の3つを挙げていきます。

1.ROE(自己資本利益率)が高い。できれば18%以上を10年以上

2.ROIC(ROA、総資本利益率、とほぼ同じ)が高い。できれば12%以上を10年以上

3.EPS(earnings per ratio)が10年以上上昇中である

ROEは、投資した資本がどれくらいの利益を出しているか?という指標になります。これが高い企業は、「持続的競争優位」を持っていると言えます。持続的競争優位を持つ企業とは、簡単に言うと、「差別化した」企業と言えます。他の企業がまねできないような商品、技術、人、資本、システム、特許、地域独占、などを持っていることを意味します。

ROEが高くても、負債を抱えてレバレッジをかけて、無理やりROEを上げているケースがあります。あまりにレバレッジをかけていると、利息の負担が高くなったり、財務上のリスクを抱えます。また、レバレッジによって、ROEを高めていても、それは本業が強いということにはなりません。そこで、本業の強さを確認するために、ROIC(ROA)を分析します。これが高ければ、「ビジネスの強さ」が把握できます。12%以上を10年は続けている企業が理想的です。

ここで、ひとつ問題点があります。ROAが高すぎる会社は「持続的競争優位」がないかもしれないということです。意外に思われる点ですが、ROAが高すぎるということは、総資本が小さい可能性があります。その場合には、巨大企業が「おいしいビジネスだ」ということで、参入してきます。ROAが高いので、すぐに元が取れるということで、参入障壁は低くなり、実は「持続的競争優位」はないということになります。ROAは「原則高い方が良い」が、総資本が少ない場合には、参入される危険性があるということを確認しておきます。

EPSは、上昇を続けている方が良いのは当然です。