ニュージーランド旅Day6の続きです。
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世界遺産マウントクック国立公園内にあるHooker Valley Track(フッカー・バレー・トラック)は、初心者でも簡単に攻略できる一番人気のトレイルだと聞いていました。
最終目的地であるフッカー氷河湖まで3つの吊り橋を渡るトレイルで、往復で約3時間。普通に体力のある大人ならね。
しかし我が家は体力の無い巨体のアメリカ人夫と3歳児でしょう?
かく言う私だって持病を複数抱えるぽっちゃりだし。肥満とは言わない意地
過去半年の安静時心拍数は85
でも第一吊り橋までなら行けるのではなかろうか?片道約15分だから、倍の時間がかかったとしても1時間で戻ってこられる。
ルート拡大。
なんせ子連れでこのトレイルに挑戦した日本人家族の記事をネットで読んだ。
まだ2歳にもならない子供が途中まで無事に往復できたと知り、旅程に組み込んだ。
だけどもっと慎重に捉えるべきでしたね、、、
その家族がこのトレイルに挑んだのは真夏で、足元に雪など積もっていない時期だったということを。
地面は雪で覆われているけど、たくさんの人が行き交っているので全く迷いませんでした。
雪が大好きなちゅっちゅは早速はしゃいでた
この仮設トイレだけは相変わらず慣れないけど寒いと頻尿がますます悪化するので使わざるを得ない。
いざトレイルへ!踏みならされた跡を進むんだけど、、、ツルッ
おっと滑るぞ〜
夫が「滑るのは怖い」と、、、
かつて実家の階段で(義妹の置いたガラクタが原因で)足を踏み外し、180度開脚する形で怪我をしたことがあるんです。それ以来無理をすると膝が痛むみたいでね、、、こけたら終わりだと
ちゅっちゅにはスノーブーツを買ったけれど、私と夫は防水でもなんでもないただのスニーカーだし
でもせっかく来たんだしもうちょっと頑張ってみようと励まして進みました。
周囲の藪にはかなりシャープなトゲトゲが生えてるので、うかつに触らないようにしましょう
ここで、ツルッと滑るたびに弱音を吐いてた夫がついに脱落。
それでも10分くらいは頑張ってついてきてくれました。夫が怪我したら帰れなくなるし、無理強いはできないよね
夫にはゆっくりと戻ってもらうことにし、母一人子一人でその先へ進むことにしました。この時はもうすぐ吊り橋だと思ってたから。
最高の笑顔を見せてくれるちゅっちゅのためにも頑張ろうと
でもね、雪が食べたくてしゃーないみたいでしょっちゅう立ち止まるから全然進まんの
お腹壊したら困るしやめろって言ったけど、あまりにしつこいのでしまいには「食べるなら綺麗な雪にしなさい」って指示した
ちなみに手袋は要りませんでした。あっても良いけど、歩いてると暑くて私はジャケットのジッパーを開けてた。
所々でツルッといくんだけど、なんとか転ばずに持ち堪えてました。
ちゅっちゅはその感覚が楽しいみたいで、ツルッとなる度にキャハハハハって笑ってましたねぇ。
が、ここで予想外の展開に、、、そう、まさかの階段出現
私はなぜ階段の無いトレイルだと思ってたのでしょう?
それでも、随分と雪の積もった階段だなぁなんて思って、、、
「まずはマミーが行ってみるから、ちゅっちゅここで待っててね」
「うん」
一段下に足をつけた瞬間でした。
ツルッ
「ぎゃああああああああー!!!」
ドスン!ゴンドスン!ゴン
ドスン!ゴン
ドスン!、、、ゴン
まずはおしりを強打し、次に後頭部を打ち付けるというのを階段の数だけ繰り返し、下まで落ちました。さながらマンガのように。
頭蓋骨にヒビが入ったかと思うほどの痛みでした。
でもこの時の私は、痛みよりも「誰かに見られていたら恥ずかしい」そして「ちゅっちゅは?!滑って落ちたら大変!」という焦りで瞬時に立ち上がることができた。
ちゅっちゅはその姿を見てなんと、、、笑ってた
泣かれるよりはマシ
だけど頭もケツも痛かった〜
ほら、こんもりと盛り上がってるでしょう?雪が固まってツルッツルのアイスになってました全く水平ではありません。もう坂だよ、坂。
これ、どうやって戻るの、、、?
みんなどうやってこの階段を登って戻ったの?いや、そもそもどうやって降りたの??
一体どうすればいいのか考えていると、インド系のおじいちゃんが後方から一人でやってきました。
おいおい、大丈夫かいな?
階段を見て少し動揺しているように見えたので「気をつけて!私は滑って落ちましたよ」と言おうとしたその時、おじいちゃんは階段横の人が一人やっと歩けそうな道を降り出しました。あのトゲトゲの枝を支えに
お〜なるほど、その手がありましたか!
私は階段の下から両腕を伸ばし、ちゅっちゅに「この道をおいで。」
最初の階段はこうしてクリア!
でも、まだあったんです。同じような階段が、、、そして横道が無い
愚かな私は「いや、さっきのはたまたま凍ってたけどこれはいけるんじゃない?じゃなきゃ他の人はみんなどうやってこの先に進んでるのよ?」
そう思い足を踏み出しました。
、、、結果は皆さんのご想像通り
さっきと全く同じです。
ただこの時の痛みは強烈で、しばらく立ち上がれませんでした。
頭を抱えて「う〜いったぁ」ともがく私。
ちゅっちゅの泣き声が聞こえる、、、
やばい、早く立ち上がらねば。
ちゅっちゅが私を追いかけて今度こそ滑り落ちてくるかも
するとトレイルから戻ってきたインド系カップルがAre you okay?と。
私は恥ずかしいのでなんとか立ち上がり、「大丈夫です(嘘)、、、階段を滑り落ちちゃって」
「すごく滑るよね。あの子はどうするの?この先も進むのかい?」
階段の上で立ち尽くしてるちゅっちゅは、私が無事だと知って泣き止みました。
「うーん、、、どうしよう。この先に階段はあといくつぐらいありましたか?」
「まだたくさんあるよ。それにもっと危険かも」
「え〜」
あと少しで目標の吊り橋のはずなのに、、、こんな軽装で臨むのは無謀過ぎた
すると今度は若い韓国風男性グループがトレイルから戻ってきて「どうしたの?子供が降りられなくて困ってるの?」
インド系カップル「そうなんだよ。(私に)どうしたい?この子を降ろそうか?」
私「え?手伝ってくれるんですか?」
両手足を使って器用に階段を登り切ったインド系カップルは、ちゅっちゅの両脇をそれぞれ左右から持ち上げて抱えてくれました。そして韓国風イケメン男性がちゅっちゅを下から受け取るという構図、、、ちゅっちゅはニコニコと楽しそうだった
インド系カップルはよく滑らなかったよなぁ、、、ちゅっちゅを階段の上から抱えて降ろすなんて怖いと思うんだけど。
とにかく人の優しさに感謝
世の中捨てたもんじゃない!!
みんなにお礼を言って別れましたが、その先にもやっぱり似たような階段が
いやいや、普通こんな状況ならここで引き返すよね?
自分で書いててそう思うわ。
全員ではないけど、トレッキング用の杖を持ってる人が結構いました。
あとはスキーウェアだったり、登山用のスノーブーツを履いてたり、、、ジャケットだけって人はそういない
ヘルメットしてても良いくらいだったわ。
それに2回目の滑落で私は腰の左側をかなり痛めていたの。おしりも痛くて。
昔パチ屋で働いていた時に全く同じところを痛めたことがあって、泣きながら傘を杖代わりに通勤してたことがあるんです。滑落の衝撃でまた腰骨がズレたと思いました
やっぱり戻るしかないかな、、、さっきのカップルはまだまだ階段があるって言ってたし。せっかくこんなところまで来たのに
第三の階段の手前でそう考えていたら、今度は小学校中学年くらいの男の子が後ろからやってきて、「ぼくちんはこうやって降りるんだもんね〜」と、氷の階段の上をおしりで滑り降りて行きました。
中国語だったけど、私にはそう聞こえた
なるほど〜!おしりで滑り台のようにして降りればいいのか!!
なんで気づかなかったんだ〜
ちゅっちゅが雪遊びできる用にスノーウェアをズボンだけ日本から持ってきていたのに、なぜ今日それを履かせなかったのかと後悔しつつ、、、頭が割れるよりマシだと思い、ヒートテックのズボンのまま滑り台させました。ちゅっちゅはおしりが濡れたことも気にせず喜んでた
でも氷の階段はこのくらいだったと思う。その先はなんか水と泥でドロッドロ
でも歩きやすい!!良かった〜
さっきのカップルはこのびちゃびちゃドロドロの階段が危険だと言いたかったのかな
本当に予想してなかった階段の数でしたよ。
でも後半は雪が溶けてたりでなんとか階段が平ら。滑ることなく横向きで降りることができました。ホッ
やっとこさ第一吊り橋が見えてきたぁ〜!
やった〜!!!
もうね、片道15分なんて嘘じゃないの?って思うくらい長く感じたんだけど
今来た道をまた戻らなくちゃいけないのね、、、しかも今度は上りで、っていう不安が半端ない。おしりと腰も痛い
このトレイルに挑戦される方は、子連れじゃなくても雪のない季節を強くお勧めします!!