質問です
最終・回想のクリスマス
義父がタマラを連れて戻ったのは夜8時を回る頃だった。
私はもうホテルに戻ってちゅっちゅをお風呂に入れさせたかったのでタイミングが悪い。
だって義実家に行った日は必ずシャワーさせないと!あちこちに汚れや菌やペットの毛が
ちゅっちゅが眠くなる前になんとかして帰りたい。
タマラはブロンドの白人だった。
前のガールフレンドも同じブロンドの白人。
私はこのガールフレンドのことが好きだった。
美人だし、年を重ねても化粧をきちんとして綺麗にしていた。笑顔が素敵な明るい人だった。
なぜ別れてしまったんだろう、、、
これは余談。
彼女はウォルマートで働いていたんだけど、仕事中に脚立から落ちるだかなんだかしておしりの骨を折ったんだよね。
それでも労災が降りず、裁判で長い期間争いかなりの額を勝ち取ったと聞いている。
そしてそのお金を義父とギャンブルでパーッと使ったとか
タマラは地味で化粧してるのかしてないのかよくわからない。
色眼鏡を抜きにしても、決して美人とは言えない。
ちゅっちゅを見るなり、「んま〜なんて可愛いのかしら!まつ毛を見て!」
夫「ちゅっちゅ、ハーイって挨拶して〜。」
ちゅっちゅは「ハーイ」と言いながらタマラにハグ
「なんて愛らしいのかしら〜!あなたがパルね?あなたの話は彼(義父)からたーっくさん!聞いてるわよぉ」
とっても意味深な言い方、、、何を聞いてるんでしょ
「そしてあなたが〇〇(夫)ねぇ〜?やっと会えたわ〜Nice to meet you!」
私とは握手だったけど、夫とはハグ。
声がでかいし、もうこの時点で私とは合わなそう、、、と見抜いていた。
義父「ローストビーフ食べるかい?私が作ったんだよ。電話してる時にオーブンのチェックが遅れてちょっと焼きすぎてしまったんだが。」
タマラ「そうなの?(私を見て)あなたが作ればよかったのに。」
、、、
は〜?
速攻でイラッとしたけど、まだ早い。
表情からは「あなたが作った方が美味しいはずだから」という意味なのか、「嫁としてあなたが料理するべきでしょ」という意味なのか読み取れない。
タマラ「今度私に和食の作り方を教えてくれる?」
私「え?あ、はい。(もちろん社交辞令)」
タマラが食卓についたので義父と一緒にキッチンへ。
義父「わお!皿が全部綺麗に片付いてるじゃないか!パルが洗ってくれたのかい?この短い時間の間にどんな魔法を使ったんだ?ありがとう」
そう言いながら義父は水切りカゴからまだ濡れてる大皿を取っては拭きもせずにローストビーフを盛り出した
老眼で水滴が見えなかったのかも
タマラ「私お肉はあまり好きじゃないの。1枚でいいわ。野菜はある?野菜をちょうだい。」
自閉症の義弟がタマラの隣に座った。あらら、これから食事なのに、、、(義弟は臭いがキツイ)
2人は前にも会ったことがあるらしい。
タマラが「I missed you、前回会ってから1年くらい経ってるかしら?」と。
義弟が何か答えたけれど、残念ながら私には聞き取れない。
するとタマラ、沈黙の後 再びI really missed youと。
タマラもまた、何を言ってるのか聞き取れず同じことを繰り返したんだと思う
この時、なぜか夫と義父がキッチンにいて2人でずっと話し込んでたのよ。
だからリビングにはタマラと義弟、私、ちゅっちゅしかおらず、ちゅっちゅはプレイドウ(粘土)で遊んでいた。
型抜きでクッキーを作ってはみんなに配る可愛いちゅっちゅ
タマラ「この子、本当になんて愛らしいのかしら。とっても美人さんね!」
私「ありがとうございます。夫と私、どちらに似てると思いますか?」
タマラ(眉をひそめて)「What?!なんでそんなことを聞くの?どういう意味?」
私(え?なんでそんなに語気を強めるの?」
「え?いや、あの、、、どっち似かなと思っただけなんですが。」
タマラ「そんなこと聞いちゃいけないわ。この子に失礼過ぎるでしょう?!そう思わない?!あなたは〇〇(夫)のことを愛してないの?」
私(え〜?!それこそどういう意味?!)
「もちろん愛してますけど。」
タマラ「ちゅっちゅのことは愛してるのよね?!彼女は彼女、他の誰でもない。そのままのちゅっちゅを受け入れないと!」
私「いえ、あの〜、、、私の質問が悪かったです。」
意味がわからず数秒呆然、というか超腹が立った。
なぜ初対面のおまえにそんなことを言われなければならない?
タマラ「ねぇ?ちゅっちゅのことを愛してないの?」
私「、、、愛してます!」
答える気も失せたけど。こんなこと初対面で聞く人いる?
タマラはその後も早口で畳み掛ける。
「そうよねぇ。じゃあなんでどっちに似てるかなんてそんなこと聞くの?あなたはちゅっちゅに〇〇(夫)に似てほしいの?それとも自分に似てほしいの?!」
私「、、、」ぷっつん。
タマラ「それってすごく人種差別的じゃない?だったら日本人と結婚すればよかったのよ。」
はぁぁぁぁ〜????!!!!
なんなのこの失礼なビ◯チは!
おい、義弟!なんとか言えや!!!
そう思って義弟を見ると、心なしか笑ってるような気がする!
いやいや、きっと顔の麻痺のせいだ、、、気まずくて出る幕がないのだろう。
「ちょっとダッド!この失礼なビ◯チが訳のわからないことを言って私をいじめてます!!今すぐ追い出して!!」
そう声を大にして叫びたかった、、、
私の英語力では、早口で支離滅裂なことを言うこのビ◯チにうまく言い返せない
それに、この女にはきっと何を言っても無駄だと思った。
思考回路が違う。
私「いえ、そういうことではなくて、、、うまく説明できません。」
タマラ「What the...!!!オッホン。私はね、昔中国人と付き合ってたことがあるのよ。その彼になんで私と付き合ってるのって聞いたことがあるの。そしたら何て答えたと思う?『ミックスの子供は可愛いから』ですって!!!あり得ないでしょう?!そんな理由って、無礼過ぎるじゃない!!」
自重したけど、What the の後にはFxxkと言おうとしていたはず
「ミックスの子供は可愛いから」
うん、その答えは確かに無礼だ。男が悪い。
でも今はおまえの方が格段に無礼だと思うぞ。
私「それはひどい答え。失礼だと思います。」
タマラ「でしょう?Holy Cow!」
ホーリーカウ?
「とにかくそういうことよ。ちゅっちゅはちゅっちゅなの。〇〇(夫)やあなたとは違う人格なんだから。どちらに似てほしいなんて親が思っちゃダメ。そのままを受け入れないとダメよ。そんなの彼女に失礼だわ。」
、、、
どう思います?
まさか「どちらに似てると思いますか?」と軽く聞いただけでここまで攻撃されるとは思いませんでした。
私が悪いのでしょうか?
母親にとって、「あなたは子供を愛していないの?」と聞かれることは最大級の侮辱だと思います。
本当に腹が立った。
10分前に会ったばかりのおまえに何がわかる?
私はキッチンへ行き、夫に日本語で告げた。
「あの人嫌い、今すぐ帰ろう。」
夫には何があったのか説明しなかったけど、帰ることには賛同。
タマラが義父に「私お肉が本当に苦手なの。このスライス1枚でも多いくらいだわ。私は野菜が好きなの。」
私に「ねぇ、私に和食を教えてくれるのよね?」
教えるわけなかろうが!!!
私は料理が下手で嫌いなんだ!!!
本当〜にしつこかった。
どんな和食が好きかと聞かれ、「寿司。でも寿司は作れない」と答えたら「私、生のお魚も無理なの」ですって。
知るか!!!
夫「そろそろ帰るよ。Nice to see you タマラ!メリークリスマス!」
私は顔も見ずにそそくさと帰ってきた。
二度と会いたくない。
一生あの家に辿り着けず道に迷っていればよかったんだ。
夫に説明すると「そんなに悪い人ではないと思うよ。汚い言葉も冗談で面白おかしく言っただけだと思う。きっと酔っ払ってたんだ。じゃなきゃあんな◯カみたいに道に迷うはずがない。タマラは僕が今まで見てきた中で一番頭が悪い人間かもしれない。」
頭が悪いは同意だけど、冗談だとは思わない。
時々皆さんのブログに「なんでも意見をはっきり言う気の強い女性」や「どうしてもお互いを理解し合えない、一緒に相容れないタイプの人間」が登場してくる。
こういう奴のことか。
ガラクタだらけのグランパハウスが好きなちゅっちゅは帰りたくないと泣き出すし、本当に気の滅入る夜だった。
こんなクリスマス兼誕生日は二度とごめんだ。
良かったことは、義父がディナーを用意してくれたこと、義妹がプレゼントをくれたこと、トミーやMがちゅっちゅと仲良く遊んでくれたこと。
夫「よーし、来年の年末もスポケーンに来よう!」
私「絶対に無理無理無理!!!今度は日本で私の家族と過ごすに決まっとろうが!日本に滞在中はスポケーンに行かないと決めたから。」
ちゅっちゅの誕生日は感謝祭直前、私の誕生日はクリスマス、、、ということで、ホリデーシーズンにはもう義実家に行かない!
そして口喧嘩でビ◯チを打ちのめすだけの英語力を身につける。
そう心に固く誓ったのだった。
早く別れますように。