「逆さ富士」

という現象があります。

 

水面に富士山が上下反転した形で

その山影が映り込み、

 

富士山本体と幾何学的な

景観を作り出すこの現象、

 

とても美しいものですよね。

 

 

実はこの逆さ富士、

 

皆さんが持ち歩き、

おそらく毎日見ているであろうものに

 

描かれていることに

気づいていらっしゃいますか?

 

 

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物静かで澄んだ水面は

鏡のようですよね。

 

ではその水面に例えば思い切り

大きな石を投げ込めばどうなるでしょう?

 

水面は乱れて波打ち、

水底から巻き上がった泥で水は濁り、

物事を正しく映さなくなります。

 

 

水面の上の世界の姿は同じでも、

 

 

水面が揺らぎ水が濁れば、

その水面は正しく外界を映さなくなり、

 

逆に澄み切った穏やかな水面は、

外界を美しく映し、

 

逆さ富士のように

人の心を和ませるのです。

 

 

人の心にも

同じことがおきているのかもしれません。

 

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「心暗きときは

即ち(すなわち)遇う(あう)所

悉く(ことごとく)禍(わざわい)なり、

眼(まなこ)明らかなれば

即ち途(みち)に触れて

皆宝なり」

(弘法大師 空海)

 

(現代語訳)

心が迷い気持ちが

暗くなっている時は、

外界のもの全てが禍となり、

 

心の目が清らかならば

出会うもの全てが宝となる。

 

 

この世は全てが

自分の思い通りになることなど、

そうはありませんよね。

 

そんな世の中で起きている

事実は同じでも、

 

 

その事実を映す

 

人の心の水面が揺らぎ

その心が暗く濁っていれば、

 

物事の欠けている面にばかり目がいき、

 

うまくいっている部分は

「当たり前のこと」

として目に入らなくなる。


そしてうまくいかないことは

 

他人のせい、

社会のせいと考え、

 

身の回り全てのものが

自分にとって

 

「災い」

 

となってしまう・・・。

 

 

逆に、

 

心の水面が穏やかで鏡のようであれば、

その水が清らかであれば、

 

思い通りにならない出来事にも

その肯定的な面を心に映し出し、

 

感謝の気持ちを持つことができる。

 

そして、

身の回りのもの全てを

自分にとって役に立つ、

 

「感謝すべきもの」

 

ととらえることができる。

 

 

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世の中には元々、

「宝」も「災い」もないのかもしれません。

 

 

世の中におきている事実は1つ。

 

その同じものを

 

「災い」

 

と感じるのも

 

「宝」

 

として感謝するのも

 

全ては人の心次第。

 

 

そう、それは、

 

世の中の事実を映す

 

「心の水面」

 

の状態次第なのです。

 

 

だから、

 

「災い」か「宝」か、

 

それは、

人が自分の心に映った姿を元に

人が自分で決めているもの。

 

そういうものなのかもしれません。

 

 

弘法大師の言葉を心に念じて、

 

今年1年、

出会うもの全てを宝として

過ごしていきたいですね。

 

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心 静かに清らかに・・・ / 空海の世界

 

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逆さ富士の姿。

 

実は今、あなたがお持ちの

千円札の裏に描かれています。

 

それは本栖湖に映る逆さ富士の

姿だそうです。