滝の音は
絶えて久しくなりぬれど
名こそ流れて
なほ聞こえけれ
(滝の音は
ずっと昔に絶えてしまったが、
その滝の評判はずっと残り、
今日まで聞こえている)
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以前このブログでもご紹介させて頂いた
大納言公任の歌です。
百人一首にも入っているので、
ご存知の方も多いと思います。
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ところで皆さん、
「メタファー」
という言葉を御存じでしょうか?
要するに
「たとえ話」
のことです。
直接、
「一生懸命働かないで遊んでばかりいると
将来ひどい目にあうよ」
と言われるよりも、
「一生懸命働くアリを
キリギリスはいつもバカにして、
音楽を楽しみながら
毎日遊んで暮らしていました。
寒い冬が来て、食べ物が無くなった時
アリは家にたくさん食べ物をためて
おいたので、みんなで楽しく無事冬をこせました。
一方、キリギリスは寒さに凍えながら
飢え死にしてしまいました」
と言われた方が、
心に刺さりませんか?
これが「メタファー」です。
直接的ではない表現のため、
意識的な抵抗が起きにくく、
心にメッセージが届きやすくなるわけです。
当ブログでも、これから
色々メタファーを扱っていこうと
思います。
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冒頭にご紹介した歌は、
私の個人的な解釈では、
「人の命はいつか終わるが、
その名声は決して消えずに
永遠に語り継がれる」
というメタファーなのだと思っています。
(私が調べてみた限り、そういう解釈が
あるという文献はないようですが、
どう解釈するかは人それぞれ自由ですよね)
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人知れずであったとしても、
世のため人のため尽くしていけば、
人にやさしく、
そして
自分の心の中にある、
正しい生き方を全力で貫いていけば、
仮に今、
自分に物質的な見返りは何も還って
こなかったとしても、
自分の名前は、
自分がいなくなった後の世界でも
自分がこの世に存在した証として、
誰かが覚えていてくれて
語り継いでくれる。
その逆もまた然りかもしれません。
未来永劫、
自分の名前が「悪名」として語り継がれる。
・・・これは勘弁して欲しいですね。
自分の名に誇りをもって、
その名に恥じない生き方、
永遠に語り継がれるような生き方を
していきたいものですね。