「一寸先は闇」

「禍福はあざなえる縄のごとし」

昔の人はよくいったものです。

 

 

明日は何が起こるかわかりません。

 

そして、

人生、いいことも悪いこともある。

 

 

でも、

人生そうやって

いいことと悪いことのバランスが

取られていくのかもしれません。

 

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「みだりに過去に執着するなかれ、
いたずらに将来に未来を属するなかれ、
満身の力を込めて現在に働け」

 

(夏目漱石)

 

 

明治から大正にかけて活躍した文豪、

夏目漱石。


彼の人生もまた、

明暗によって交互に彩られたものでした。

 

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1867年、

裕福な家に生まれ、

学生時代はほとんどの教科で首席。


創設間もない帝国大学(現在の東大ですね)
英文科で学ぶ。

ところが、
「日本人が英文学を学ぶ」
ことに違和感を感じ始め、

極度の神経衰弱に陥る・・・。


1895年、

愛媛県の尋常中学校の教諭となり
正岡子規とともに、

俳句に精進し数々の佳作を残す。

1900年、

文部省からイギリス留学を命じられ、

シェイクスピア研究家の個人教授を受けるが、
「日本人による英文学研究」
への違和感がぶり返し、再び神経衰弱に陥り
1902年に急きょ帰国。



帰国後、

神経衰弱の症状緩和のためと
高浜虚子の勧めで小説を執筆。

そして

1905年に発表された小説が
「吾輩は猫である」


この年漱石38歳。
この作品が高い評価を受け、

漱石は小説家として生きていくことに。

その後も

 

「坊ちゃん」、「草枕」、「三四郎」
等を次々に発表し、

人気作家となっていく。

1907年以降

神経衰弱や胃病に苦しめられ、

さらに胃潰瘍などの病気にも悩まされながらも、

 

後期三部作と呼ばれる

『彼岸過迄』、『行人』、『こゝろ』

を発表していくが、

 

1916年に49歳で死去

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38歳からのたった11年間で、

 

多くの日本人の心を動かす名作を書き上げ、

日本の文学史に金字塔を打ち立てた夏目漱石。

彼の数々の作品と共に、

彼の名は私たち日本人の間に

永遠に語り継がれていくことでしょう。

 

 

素晴らしい過去におごり、ひたることなく、

 

「きっと未来はよくなるさ」

そう考えることによって、

その歩みを止めることなく、

 

 

今、

自分の手の中にある満身の力を、

そのエネルギーを使いきること。

 

「一日完全燃焼」

 

 

それこそが、

 

過去は自由にはできなし

明日は何が起きるかわからない、

 

私たちにできる最善の選択。

私たちが選ぶことの最善の道。

 

そういうものかもしれませんね。

 

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「ある人は十銭をもって
一円の十分の一と解釈する。
ある人は十銭をもって
一銭の十倍と解釈する。
同じ言葉が人によって高くも低くもなる」

(夏目漱石)


光と影により織りなされた漱石の人生。

 

私たちの人生も彼ほど色濃くは無くても、

同じようなことがあるかもしれません。

 


そこにある事実は一つ。

その事実に対して、自分が
どういう意味づけをするかによって、

 

その事実は自分にとって

前向きなものとなり、
後ろ向きなものにもなる。

不幸と感じたり、
幸せと感じたりもする・・・。


結局全ては自分の思い次第。



漱石自身は、自分の人生を

どのように思っていたのでしょう?

 

それは私たちにはわかりません。

 

 

だけど彼が我々に遺してくれた言葉を、
私たちが私たちの人生を

よりよくするために活かすこと。

きっと彼はそれを

快く思ってくれることでしょう。

 

 


逆立ちしたところで、

起きてしまった事実は変えようがありません。


今自分が置かれている境遇は、

動かしようのない事実です。

 

 

ならば胸を張って、



「一銭の十倍も持っている!」

そう考えて、

 

今ここにある事実を前向きにとらえて

今自分の手元にあるものに感謝して、

 

「自分は幸せなんだ」

 

そう考えて、

今を全力で生きていきませんか?

 

 

きっと明日はいいことありますよ。

 

 

【三四郎池】
漱石の代表作の一つ「三四郎」。
明治40年代の学生生活を描いた

青春小説です。
作中で主人公の小川三四郎と、

三四郎が思いを寄せる女性、

美禰子が出会った、東京大学の心字池は、

この作品にちなんで、

「三四郎池」と呼ばれているそうです。

 

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