「動けば雷電の如く、
発すれば風雨の如し。
衆目駭然、敢て正視する者なし」
(ひとたび動けば雷電のようで、
発すれば風雨のようである。
周囲の者は、
ただ驚き、呆然とするだけで、
あえて正視する者すらいない)
日本の初代内閣総理大臣、
伊藤博文がそう評した男がいます。
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「一度きりの人生、人目を気にせず
悔いなく、かっこよく、面白く生きたい」
あなたもそう思いませんか?
・難題に敢然と立ち向かう度胸と精神力
・電光石火の行動力
それらを意識し、実行していくと、
可能になるのかもしれません。
そして、
それを実際にやって見せた男。
それが、本日ご紹介する
幕末の英雄の一人、長州藩士
高杉晋作
その人です。
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人間、窮地におちいるのはよい。
意外な方角に活路が見出せるからだ。
しかし、死地におちいれば、
それでおしまいだ。
だから俺は困ったの一言は吐かない。
(高杉晋作)
長州藩が攘夷行動を起こし、
関門海峡で外国船を砲撃した
1863年5月。
しかし長州藩は米仏の反撃にあい、
あえなく惨敗。
この翌年1864年8月、
長州藩が、
イギリス・アメリカ・フランス・オランダ
の四か国連合艦隊と戦った、
下関戦争終結のための
講和交渉を長州藩から任されたのが、
高杉でした。
この年の7月の
池田屋事件・禁門の変で
長州藩の名だたる志士たちが
次々斃れ、
二度と帰らない人と
なっていった中での、
藩からの高杉指名でした。
藩にすれば
「高杉、もうお前しかいない。
頼む、何とかしてくれ!」
といったところだったのでしょう。
想像してみて下さい。
諸外国に対し
自分から戦いをしかけたあげく、
圧倒的な力の差を見せつけられて
惨敗した挙句の講和交渉。
その使者があなただったとしたら・・・。
どんな気持ちで、
何を言い、何をしますか?
「絶望的」
そんな言葉しか、
思い浮かばない状況ではありませんか?
そんな状況での交渉に臨んだ
当時24歳の高杉ですが、
イギリス公使の通訳官、
アーネスト・サトウは高杉を
「魔王の如く、傲然として見えた」
と言い表したそうです。
世界中の誰が、どう考えても、
強気に出られる余地のない交渉に
臨んだ時でさえ、
相手には「傲然」と見えた、
高杉の精神状態。
それは
「立ち向かえない敵、
乗り越えられない問題。
そんなものはない。
そう信じ、
いつもそう考えているために、
どんな時でも
『困った』
とは絶対に口にしない。」
そういう普段からの
彼の生き方、
彼の覚悟、
が作り上げたもの・・・
だったのでしょう。
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戦いは一日早ければ
一日の利益がある。
まず飛びだすことだ。
思案はそれからでいい。
講和交渉の後の1864年12月、
高杉は今度は、
幕府に恭順しようとした長州藩内で
「クーデター」を起こします。
これが世にいう、
功山寺挙兵です。
高杉の電光石火の行動により起こった
この事件で、
長州藩は一気に討幕に邁進し、
時代は明治維新へと、
大きく推し進められていきます・・・。
思慮深い行動も大切だと思います。
だけど
本当の危機に向かい合った時、
「今がその時」
と直感し、
その直感を信じて決断し、
断固として行動していく。
そんな
電光石火の行動力
こそが
人生を、そして世界をも変えていく
そういうものかもしれませんね。
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司馬遼太郎は、
著書「竜馬が行く」の中で高杉を
こう評しています。
「坂本竜馬や西郷隆盛は
確かに天才だが、
他の時代でも充分能力を発揮できる。
しかし高杉の場合、
この革命の時にしか役に立たないほどの、
凄い天才である」
自分自身を律する強い精神力や、
直感的な判断力と行動力で
欧米列強から日本の未来を救い、
そして歴史を切り開いた、
高杉晋作の人生。
まさに、天才的な
「かっこよさ」
ではないでしょうか?
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「おもしろきこともなき世をおもしろく」
雷電の如く、
風雨の如く、
幕末という動乱の時代を駆け抜け、
28歳でこの世を去った、
天才の辞世の句です。
人生、もしかしたら、
おもしろいことばかりでは
ないのかもしれません。
退屈なことも、
つらいことも、
逃げ出したいことも、
たくさんあるかもしれません。
でも
自分の人生を救うことができるもの、
それは自分の力だけ。
だから、
自分を追い込んでしまったら、
そして、
行動できなくなったら
そこで終わり。
今私たちの目の前にある現実、
それ自体は
「意味を持たない淡々とした事実」
です。
その事実に対し、
絶望と思うか、
「まだ立ち向かえる」と思うか。
不幸と思うか、
幸せと思うか。
退屈と思うか、
「おもしろい」と思うか。
全ては私たちの心と行動次第。
私たちも、自分の人生を、
「おもしろい」と意味づけして、
そして高杉のようにかっこよく、
生きていけたら・・・
そう思いませんか?
【功山寺の高杉晋作像】
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