あなたの理想の生き方、

どんなものですか?

 

その答えは、人によりさまざまかもしれません。

 

 

この人の答え。

 

それは、

 

決して、器用な生き方とは言えなくても・・・。

 

 

何をやったかではなく、

何のためにそれをやったかである。


今それが大切に思えてきている。

 

 

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高倉健さん。

 

昭和を彩る、

名映画俳優の一人です。

 

彼の演技に関する取り組み姿勢。

プロとしての覚悟、こだわり、

 

そういったものを表すエピソードに、

こんなものがあるそうです。

 

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『幸福の黄色いハンカチ』

 

1977年に公開された、
健さんの代表作の一つと言っていい映画です。

この映画の冒頭のシーン。


健さんが演じる主人公が、


刑務所から刑期を終え

出所した直後に、

 

食堂でグラスに入ったビールを

深く味わうように飲み干した後、

 

ラーメンとカツ丼を食べるシーンが

ありました。

 

 

そのシーンで


「久しぶりの自由な世界で

夢中になって飲食する」
 

リアリティの高い演技を見せた健さん。

シーンの撮影完了後、
あまりにも見事な演技をたたえた

山田洋次監督に対し、


健さんは言葉少なにこう語ったそうです。

「この撮影の為に2日間何も食べませんでした」
 

 

健さんの、
演技に対する真摯さ、

 

とことん自分に厳しく、

 

演技のためなら、

平然と命すらかけてしまうのではないか

と思えるプロフェッショナル魂を感じた、

 

山田監督と周囲のスタッフたちは、

 

その瞬間言葉を失って、

ただ唖然と健さんを見つめたそうです。

 

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人間にとっていちばん寂しいのは、
何を見ても、何を食べても、

何の感動もしないこと。


感動をしなくなったら、

人間おしまいだと思うんですね。
こんな寂しいことはないと思います。

 

 

この食堂でのシーンは

 

映画の冒頭部分で、

主人公の境遇を観客に見せて、

物語の世界に導いていくための

大切なシーンでした。

 

 

もしかしたら演技をする上で、

彼のやり方は、スマートな取り組みとは

言えないものだったのかもしれません。

 

表面上の表現・演技だけなら

もっと上手な俳優は

たくさんいたのかもしれません。

 

 

それでも

 

健さん自身が

ひとりの人間として日頃から、

大切にしていた、

 

「感動」

 

と、その感動を感じることができることに対する

 

「感謝」

 

の気持ち。

 

 

そういった価値観を、

 

プロフェッショナルとして、

そして

人間「高倉健」として、

 

自分に厳しく、

自分にできる限りの準備と表現力をもって、

正面から取り組み演じきろうとする姿勢。

 

 

その感性と姿勢が

このシーンに説得力を与え、

 

 

また、

彼が出演した作品全てにおいて、

 

私たち観客に、

感動を与え続けてくれたのかもしれませんね。

 

 

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人が心に想うことは、
誰も止めることはできない。

 

 

それが正しいことなのか、

器用で見栄えのいいことなのか、

他人からどう見られるのか、

 

・・・などのようなものにとらわれることなく、

 

 

不器用でも、


感動・感謝の心をもって、

常に真摯に、

自分に厳しく、

 

自分のやり方で生きていく。

 

 

それを貫き通せたとき、

自分にとってその生き方が正解となり、

 

人を感動させる輝きを放つ生き方

 

となる。

 

 

そういうものかもしれませんね。

 

高倉健さんについては、

まだまだ紹介したいエピソードと言葉があります。

 

(「人に優しく・・・ / 高倉健の世界 II」に続きます)

 

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