天の原 ふりさけ見れば
春日なる
三笠の山に
出(い)でし月かも
安倍仲麿
(天を仰いではるか遠くを眺めれば、
月が昇っている。
あの月は奈良の春日にある、
三笠山に昇っていたものと
同じ月なのだなあ)
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百人一首にも取り上げられている歌なので、
ご存知の方も多いかもしれません。
この歌の作者の安倍仲麿は
19歳の頃、遣唐使として中国に渡り、
一度日本への帰国を許されたものの、
帰国途中で船が難破して
やむなく中国に引き返し、
その後、
結局故郷には帰れぬまま、
50年以上にわたって
中国の皇帝に仕えた末に
異国の地で亡くなったそうです。
そんな彼が詠んだ
「望郷の歌」
それがこの歌です。
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あなたの頭上に輝いている月、
その月は、
あなたの故郷を照らしている月
でもあるんですよね。
私もサウジアラビアへの単身滞在時、
砂漠の空に、
哀しいくらい、
まぶしく輝いていた、
Desert Moon
を見つめながら、
日本に残してきた
家族を思っていました。
だから
この歌のこの世界、
今も自分のことのように思え、
心に響いてきます。
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みなさんの中にも、
大切な人たちと、
遠く離れて暮らしている方、
たくさんいらっしゃるかもしれません。
だけど、
どんなに離れていても、
あなたの言葉、
直接は伝えられなくても、
あなたが今見ている、
その月は、
あなたの大切な人たちの上にも
輝いています。
だから
あなたの
鮮やかな笑顔も、
心に抱いている夢も、
輝いている未来も、
月のプリズムが、
その人たちに
きっと届けてくれます。
あなたがそう信じ、
そう願えば、
きっと届けてくれます。
あの月の下で、
私たちはみんな
つながっているのですからね。
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