ちょっと前のことですが、テレビで辛坊次郎さんのヨット転覆についてやっているのを見ました。




私、この件については、「自己責任」だの「準備はちゃんとしていたのか」だのと非難している連中に、言いたいこといっぱいあるんですよ。




あれだけ頭のいい方が準備していたんですからね、準備不足なわけないじゃないですか。

半袖や革靴で富士山に登るバカチンとは違うんですよ。




しかも、ヨットは間寛平さんが太平洋横断に使ったものと同じヨットで、プロが整備している船です。

気象予報士やプロのセーラーのバックアップもついた、一大プロジェクトで挑んだんですからね。




ぶっちゃけ、寛平ちゃんよりずっと、条件は良かったはずですよ。




それでも失敗したのは、やっぱり運です。






私ね、慎重に準備をして冒険に挑み、そして失敗した人を責めるのは、間違いだと思うんです。




毎日毎日、その事だけを考えて、生活のあらゆることを犠牲にして、壮大な冒険にチャレンジする人ってたくさんいると思いますけど、そういった人のほとんどが、1度や2度は失敗しているんですよ。




いや、一度も成功していないからこそ、チャレンジし続ける人もいっぱいいます。




自分に出来るかどうかわからない。


わからないけどやってみよう。

わからないからやってみよう。






そう考えて壮大な冒険に挑む人達に、かけられる言葉は「頑張れ!」しかないんですよ。


辛坊さんをネガティブに批判していた人は、もし三浦雄一郎さんが失敗していたら、やっぱり「老人の無謀なチャレンジ」とか言うのかな?




そうじゃないよね?

「良くやった!」

ですよね?




何も成さない人が、何かを成そうとした人を非難するのは単なる妬みです。




チャレンジする勇気のない人は常に、チャレンジする人の失敗を喜びます。失敗した人を責めていれば、何もしていなくても、まるで自分がその人より上にいるような気になれるからです。


そんなこと言ってる暇があるのなら、自分も何かにチャレンジしようよ。




まず1歩。

それが踏み出せたらもう1歩、ですよ。






ぶっちゃけ、私なんか体力がないから、今だってボランティアに行く前は足がすくむんですよ。




リュックを背負い、玄関を出る時、なかなか踏ん切れずに「このまま戻って布団に潜り込みたい」って毎回思うんですよ。




そんだけ、たかがボラだって勇気がいるんです。




でも、行ってしまえば必ず「行って良かった」と思うし、やった自分に自信がつく。

だから、いつもなら持ったこともない重さのリュックを背負って行くわけです。

(友人は私の倍くらい重い荷物を持ってきていますけどね。笑)






韓流俳優にハマったおばちゃんが、生まれて初めての海外旅行として韓国に行くのだって冒険だし、小学生が高尾山に登るのだって冒険です。




やったことのない事や大変だとわかっていることにチャレンジするのはどんな事だって冒険です。




辛坊さんも「どの面下げて」なんて言っちゃダメですよ。




目の見えないセーラーの方を、安全に非常用ボートに誘導する時間を計算し、無事生還したことに胸を張って下さいよ。




そして、生きて帰って来られたことに感謝し、自分を命がけで助けてくれた自衛官に精一杯の有難うを言って下さいな。






人生は冒険の連続。




できないと諦めるのは、やってみてからでいいんですよ。


やる前に尻ごみするのはただ勇気がないだけです。




大変なことを乗り越えるべき試練と捕らえるか、乗り越えられない壁と捕らえるかは人それぞれですが、私は、知恵と力の限りを尽くして冒険する人を、これからも応援したいと思います。