お通夜が始まり最初に弔問客に私から挨拶した

不思議と話すことは決まっていた

これまでの病気の経緯と旦那に代わって感謝の意を述べた

旦那のお姉さん達のすすり泣きが聞こえてきた

最後まで仕事の責任を果たした夫を私は誇りに思っていると涙ながらに伝えた

終わってから皆から挨拶立派だったよと言われた

最後に伝えたいことを伝えられてよかった


旦那の棺はオープンにして皆が見えるようにした

1人1人が焼香をして私に故人の思い出話をしてくれた

時には笑い話もあった

共通の知り合いで久しぶりに会った人もいた

昔はよく集まって飲んだりしていた

どうしてそんな楽しい時が続かなかったんだろう

最後に私も少し関わった古くからの旦那の取引先の人が焼香をした

しばらく旦那の遺影を見て、バカヤローと叫んだ

そして天井を見上げた後、成仏しろよと鈴を鳴らした

私は1人1人に感謝の挨拶をした


旦那の生き方を理解する人はどれぐらいいるだろう

ある意味刹那的でもある

子供でもいたら子供のためにもっと生きると思って違ったんだろうか

若すぎる死に誰もが旦那を不器用だと思っただろう

それでもたくさんの人が旦那にはお世話になったと感謝してくれた

○○、届いてる?


コロナ禍から今どきは会場で食事などは提供しないようだ

焼香が終わると皆帰って行った

私と旦那のお姉さん2人とその息子は明日の告別式までこの葬儀会場で宿泊する

さすがに夜通しお線香を上げることはしなかった

祭壇に置かれた旦那の棺は葬儀屋さんの計らいで私達の泊まる部屋の隣に移動してくれた

時々旦那の遺体を見に行き、久しぶりにゆっくり寝た

もうやり残した仕事はどうでもよくなって明日告別式が終わってからすることにした

ごめんよ○○、こんな時まで

旦那に謝罪した


旦那のお姉さんがいてくれて本当に心強かった

旦那の血を分けた家族というだけで私は救われる