今日はいろんな人が面会に来た

午前中は私の会社の上司も来てくれた

ほんとは親族以外の面会は認められていなかったが私と旦那の看護師の姉が一緒だったので特に聞かれなかった

主治医に病状を聞く時間を設けてもらった

実は昨日の夜、当直医から電話があって脳に出血があると連絡がきた

もし何か症状が出るとすればここ2、3日で出る

その期間に症状が出なければすぐ命に直結するようなことはないというような説明だった

できることは血圧のコントロールぐらいで肺炎がよくなれば治療を検討するというようなことだったと思う

でもこの日主治医から私達に脳の出血の説明はなかったように思う

癌がわかってからのこれまでの経過と肺炎の説明だけだった

主治医は余命にしろはっきり言わない

上司が数日で急変する可能性はありますか?と主治医に尋ねたら当然ありますよと答えた

上司は驚いていたようだが主治医にあれこれ聞いていた

上司は以前腰椎に転移した時に診察に同行してもらったことがあり少し主治医とバトルした

主治医は何となく覚えていたのか不機嫌そうにこの人はどういう関係ですか?と私に聞いた

私は叔父ですと即答した

心の中で全然似てないけどと思いながら

勘のいいところもある上司は余命を察知したのか予定していた旦那の予定をキャンセルした方がいいと助言された

私はそれは拒否した

可能性はまだゼロではない


旦那の看護師のお姉さんには脳の出血の話は昨日していて2人で旦那にはもう詳しい病状を直接話さないでほしいとお願いしようと話していた

でも朝病院に行くとどうやら旦那にはもう話してしまっていたようだ

旦那は脳にも転移してるんだろ、望みはないんだろと怒りを含んだ涙を浮かべて言った

私は血圧をコントロールしたら治療できるみたいだから大丈夫だよと旦那の肩をなでた

看護師のお姉さんもそれには同調した

面会が終わって病院の看護師にもうこれ以上本人が不安になるようなことは言わないでほしい

脳の出血のことも今日本人に言わないようにお願いしようと思っていたのだと伝えた

看護師はもちろん主治医はオブラートに包んで話してあり、希望を持てるようなよい兆候も同時に説明していますとのことだった

脳の出血の話は当直医が話したんだろうか?

昨日は詳しくはまだわからないので改めて説明しますと言っていた気がするが


脳への転移を旦那はもっとも恐れていた

主治医のことだから余命と同じくはっきりとは言わないだろうが旦那も勘がいいのでわかってしまったんだろう

脳の転移とはかぎらないと淡い希望にすがっていたのは私だけだったのかもしれない

このことで旦那は心が折れたように思う

昨日は私の姪っ子達が代わりばんこに面会に来るよと旦那に言ったら、まるで俺が死ぬみたいだなと言っていた

私は不安を抑えて、みんな応援に来るんだよと言った

旦那はわかった、頑張るよと細々と答えた

でも脳の転移の疑いでその気持ちは打ち砕かれてしまったと思う


私は夕方は面会できなかった

仕事を終わらせることができなかった

後で旦那は私が来るのを待っていたと聞かされた

でも仕事で行けないと旦那のお姉さんに伝えていたので旦那は私の仕事を理解していたとも聞いた

看護師は呼吸も落ち着いて静かに寝ていると言っていたのでステロイドの効果も出てきたのかもしれない

だけど胸騒ぎがして眠れない

今晩急変の連絡が病院からあるかもしれない

昨日だって夜病院から電話があったので心臓が止まるかと思った

私の家族に旦那の癌のことを話したことで心強さは少し出た

それでも胸騒ぎを抑えられない

旦那が入院してから泊まってくれている看護師のお姉さんも心配で眠れないと言う


私はLINEに自分だけのグループを作って心情を書いているが、亡くなった両親に向けて旦那を助けてくださいと何度も書いていた

今日も何回か書いた

明日になったら肺炎がよくなっていますように

旦那が苦しんでいませんように

旦那と代わってやりたい

効果が出ますように


結局明け方まで眠れなかった

でもげんきんなもので明け方5時頃には限界がきて知らぬ間に眠っていた

起きて看護師のお姉さんにあんなに心配で堪らないのに睡魔が襲うと話したらお姉さんもそうだと言った

夜病院から電話は来なかった