いつからだろうか
いつも主治医のそばで仕事をしている看護師の態度が変わっていることに気づいた
前はにこやかだと思ってたけど診察のたびに険しい表情をしている
まるで何か真実を知っているかのように
主治医が診察をしているそばで少し上を向いて何か考えているように見える
私はそれが気になっていた
旦那とあの看護師さん何かあんたのこと同情してるような含みのある表情してるよねと話した
旦那も同じように思っていた
この医者にかかってかわいそうとか思ってるんじゃない?などと話した
実際にCTの結果や血液検査の結果などいろんなものが少しずつ悪くなっているように思える
旦那とやっぱりあの主治医じゃダメだったのかもねと話したりした
私達が思ってる以上にほんとは悪かったんだろう
元気そうにしていても確実に癌は進行しているのだ、多分
旦那は余命が残り少ないことを確信しているようだ
仕事関係の人にはあと半年ぐらいしか生きてないからと半ば冗談のように話していた
人に何かをしてもらったらお礼は自分の葬式で特等席に座らせてあげるとか、後輩に奢った時はお礼は香典でいいよなどとジョークを言ったりしてたようだ
冗談で受け取る人と、深刻に受け取る人といたようだ
深刻に受け取る人は身近に癌で亡くなった人を知っている人だ
元気そうにしていてもあっという間に亡くなると言われたと言っていた
旦那は少しずつ終活をしている
私は認めたくなくて療養が長引いた場合の準備をしていた