1年前の今日、パネル検査のため旦那と2人でがんセンターを受診した
旦那も私も仕事を抜けて13時に自宅に近い駅で待ち合わせをして旦那の車で行くことにした
車で40分強、近くはない
でもそこまで遠いわけでもない
通おうと思えば通えたのかもしれない
お昼ご飯を食べる時間がないので車でサンドイッチでも食べようと提案した
バタバタと会社を出て待ち合わせの駅を降りて思いつくお店に行ってもサンドイッチがない
違うお店に入っても売ってない
駅前を焦りながらウロウロして結局パン屋を探せず代わりにおにぎりを買った
旦那はサンドイッチと伝えてたので楽しみにしてたのにおにぎりだったのでがっかりしてた
後日構内に2店舗パン屋さんがあったことを思い出した
改札を出てしまったので買えなかった
つまらないことだけど旦那をがっかりさせて悪かったと後々まで思った
車で向かうとやっぱり遠いと思った
がんセンターへの転院は何度か検討した
でもどうしても距離的に無理だと感じていた
入院したら私も気軽にお見舞いには行けない
こういう付き添いも簡単にはできない
だけど最初からがんセンターだったら今頃治っていたかもしれないという思いもあった
がんセンターに着くと駐車場にはたくさんの車が止まっていた
これだけ多くの癌患者がいるんだと思った
車は家族や私達のような診察を受ける人のだと思うけど
受診の仕組みは先々月T大病院でセカンドオピニオンを受けた時と同じような感じだった
いくつかのプロセスを経て受診時間が来ると渡されたブザーが鳴る
がんセンターはとてもきれいだ
明るくて見晴らしがよく院内にはおしゃれなカフェもある
私は旦那にここなら入院しても快適そうだねと言った
その時旦那がどんな表情で返事したか覚えていない
でもいつもなら入院を嫌がる旦那はそんなことを言ったらすぐ怒るのにその時はそうではなかった気がする
旦那の中でも入院して癌治療したい気持ちもあったのかもしれない
がんセンターに向かう途中旦那から今日は検査はしないはずだぞと言われた
私はてっきり今日血液の検査のリキッドバイオパシーをしてくれると思っていた
診察をすると旦那の言う通り今日はパネル検査の説明だけでしかもリキッドパイオブシーではなく、以前に採取した検体を再度パネル検査に回すということだった
しかもその検体は通っている病院からまだ送られていないらしい
パネル検査を受ける意思は伝えてあるのになぜそんなに時間がかかるのか?
病院とがんセンターの連携の悪さは予約の時にも感じていた
残された時間は少ないのになぜこんなに段取りが悪いのか
思い出しただけで腹ただしい
仕方のないことかもしれないけどこんなに悠長なことをしているからパネル検査の結果が出る前に亡くなるということが起きる
実際旦那もそうなってしまった
旦那はがんセンターの医師の説明はほとんどわからなかったようだ
旦那はYouTubeが大好きで毎日見てたのに癌に関する動画などは一切見てなかった
怖かったんだと思う
だから医師の説明はまったく理解してなかった
医師の話では以前のパネル検査では10項目程度(だったと記憶している)の遺伝子検査だが今回はそれより多くの遺伝子検査を行う
まれに前回見つからなかった遺伝子変異が見つかり分子標的薬が使えると一発逆転するケースもあるとのことだった
事前の主治医の話だと今回のパネル検査で遺伝子変異が見つかる可能性は8%だと言っていた
幸運にもその8%に入るという感覚はあまりなかった
難しいだろうと思っていた
診察が終わって会計を待つ間に未来の癌研究に協力するという同意書を渡された
帰りに旦那はそのことを喜んでいた
たとえ自分は死んでも後の人に生かすことができるかもしれない
旦那にとってそれはわずかな希望でもあった
だけどそれは叶わなかった