結局お通夜の会場が早くに閉まってお通夜には間に合わなかった。

会場近くのホテルも満室で昨日は私の姉とご飯を食べて離れたホテルに泊まった。

私の仕事が忙しかったのでパソコンを持っていって遅くまでホテルで仕事をして早朝から葬儀場に向かった。

私の姉は旦那が帰らないことを不思議に思ってたけど腰を悪くして入院してると言った。

葬儀場でも皆にそのように説明した。

旦那の癌のことは旦那の家族にも2人にしか話してなかった。


旦那からはSMSで連絡がきた。

やっぱり旦那もお姉さんが亡くなって寂しいようだ。

きっと家で1人で泣いていたんだろう。

私の上司は旦那がお姉さんの葬儀に参列できないことをかわいそうだと泣いて同情していた。

癌がよくなっていれば旦那も一緒に帰れただろう。

お骨が焼けるのを待つ間に私は少し早く会場を去って空港に向かった。

滞在時間は24時間もなかったけど夕焼けの景色と満天の星のおかげで充実していたとその時は思った。

どうしても亡くなったお姉さんの姿と旦那を重ねてしまうけどそうはならない。旦那は助かる。


珍しく旦那は車で空港まで迎えにきてくれた。

ここ数年は私が1人で帰省してもめんどくさがって迎えにきてくれなかったのに。

自分の代わりに私が葬儀で帰ったことに対する罪滅ぼしなのか。

旦那にはお墓の話をした。

誰かにお墓参りをしてもらうためにお墓があるんじゃない。

私達が永遠に眠る場所がお墓だ。

だから一緒に田舎にお墓を作って眠ろうと話した。

旦那は体調もよくなって元気だった。

お墓についてはどう返答したか思い出せない。