どんどん日が暮れて暗くなる道を走って旦那の実家に向かう途中にある私の実家に向かった。

もう暗いけど両親が眠るお墓にお参りしたかった。

スマホの灯でお墓参りをした。

帰ってきたよ、旦那の癌治してね

両親のお墓にそう祈った。

お墓にお参りをして空を見上げたら星が見える。

ふと海辺に行ったらもっとここより星が見えるんじゃないかと思った。

レンタカーを走らせ、灯りのない道路脇に車を停めて外に出た。

見上げたら満天の星。

天の川もくっきりと見える。

なぜだか泣いた。堰を切ったように大声で泣いた。

旦那の癌がわかってから泣きたいけど我慢して絶対治ると無心で頑張ってきた。

だけど何十年ぶりに見る満天の星を見て不意に旦那が死ぬんじゃないかという思いにとらわれ、死んじゃ嫌だよと声に出して泣いた。

お姉さんが亡くなったからそう思ったんだろうか。

それとも星になった両親やお姉さんが私に告げたんだろうか。

そういえば母が急死した3年前もこの海でもしかして母が亡くなるんじゃないかと思って泣いた。

同じ場所だ。

予感は当たってほしくない。

必ず旦那の癌は治すんだ。

思い直してまたレンタカーに乗って旦那の実家まで急いだ。