ゴールデンウィークは旦那の実家に帰省していた。
留守中のインターホンのモニターに宅急便でもない人が映っていた。
NHKの人だろうか。
うちはチューナーレスTVしかないのでNHKとは契約をしていない。
ゴールデンウィーク中二度ほど訪ねてきているようだ。
昨日ポストを見たらメモが残っていた。
20年以上前に旦那が辞めた会社の先輩だった。
旦那にお線香を上げたくて何度か訪ねたけど留守なので連絡ほしいと書いてあった。
インターホンのモニターは⚪︎⚪︎さんだったのか!
以前はよく旦那と自宅にお邪魔したりしていた仲の先輩だった。
知人を通して旦那が亡くなったことを聞いたようだ。
すぐに電話をして今日の午前中にお線香を上げにきてくれることになった。
仏前で先輩は、
「バカヤロウお前何やってんだ、あれほど仕事はほどほどにして体を大切にしろと言ったろ、
結局⚪︎⚪︎ちゃん(私のこと)をひとりぼっちにしたじゃないか」と旦那を叱った。
還暦を過ぎた男性は皆そう言う。
奥さんを泣かせるなと。
旦那はたしかに仕事仕事だった。
技術職なので仕事が生きがいでもあった。
でもそんな生き方は人生の先輩からしたら間違ってると思うのだろう。
私も仕事が生きがいだから旦那の気持ちはわかる。
子供もいないから何か残したいのだ。
それが旦那にとっては仕事だった。
でも死んでしまったらおしまいだ。
先輩や他の人の言う通りだ。
帰りに先輩は困ったらいつでも頼ってと言ってくれた。
旦那は頑固でわがままで意地っ張りで強情で偏屈だった。
だけど私はそんな旦那を愛していたし、旦那は周りから愛されていたと亡くなった今ほんとに思う。
旦那がひたむきで純粋で、何より人の繋がりを大切にする人間だったからだろう。
だけど私も泣きながら旦那の遺影に向かってほんとにおバカさんだね、あんたはと言った。
でもそんな旦那だからこそ愛していたんだ。