仕事を止めるきっかけは地元の中堅印刷会社の熊谷印刷から受けた製作依頼だった、何度も話は来ていたけれど、受けた時の請求金額が200万、地方都市でフリーの立場で仕事して売り上げとしては頑張ってる方だと思う、脇が大甘の俺はマネジメントなど苦手で、食えれば良いとしか考えていなくて朝から朝までなんて製作時間でも、クライアントが納得してくれてギャラが入ってくればそれで良いという、悪い習慣だけで生きてきた。

 

従兄弟が地元で活躍していて良い仕事をしているのを知っていたので、ゴミでさえさらって行こうと思っていた俺は、無理な仕事も受けていたが、ギャラを払わないって事を平気でするのがいるとは思ってもみなくて、担当営業マンの舌先三寸の甘い言葉に、それからも続けていたのだからバカの極み。

仕上げたものを人質に払わせるなんて事も今なら考えられるのに、3ヶ月経って、なぜか無一文になっていた。

 

東京・大阪・北海道と渡り歩いてきて、最後に地元盛岡で味わった裏切りの味は忘れていない。

生涯現役と思っているので、デザインの世界には諦めて、今は人形作家。

 

なんとなく生きてきて、なんとなく消えていくのが俺の人生のようだ。

締め切りは命尽きる時なので、腐らず真面目に取り組んでいこうとは思っているが、手が止まってもう3年。

 

車を探してもらっているので、足が確保されてフットワークが良くなればきっと笑顔になれる筈、もう40年も前のことが未だにフラッシュバックして来て、負ったダメージの大きさに

憂鬱になる、生きていて良いのかなと自問自答。

 

俺の免許で乗れる車なのでコムスかな?

 

量産までは未だ時間かかるらしいので、コムスになるよな。

お金は用意して待つので、くっすん売って頂戴。

K・Gモーターズの楠さんとは画面上でしかみた事ないけれど、生きているうちに乗れたら良いなぁ。