さて、ようやくリクエストを戴けましたのでこの20年間のポンコツ飼育の歴史を書き記していきましょう。
とにかく昔は今みたいに飼育用品が選べませんでしたし、情報も非常に少なくて販売していたお店のアドバイスを鵜呑みにしてみんな手探り状態で飼育していました。私ももちろんそんな状態で、前の記事にも書いたチープな作りの高価な飼育マニュアルを買って70㎜オーバーブリーダーを目指してました(笑)
私が飼育を始めた当時は70㎜オーバーは10万円以上してましたから欲目も手伝ってそれはもう必死なワケですよ。お店の人たちだって本当は菌糸ビン飼育すれば大きいのが出るのは知っていても普及すれば自分たちの食い扶持が無くなるので適当に「大きい親の幼虫を買えば大きくなる可能性が高い(近年の飼育レベルでは間違いない事ですが)」とか「自然界と同じくカワラ材を使えば良い(何万円もする天然カワラ材を薦められる)」とかひたすらはぐらかして何かを買わせようとしてましたね。
そんな中では「月刊むし クワガタ特集号」で紹介された事もあって発酵マット飼育は比較的お手軽に大きくできるという話で私もチャレンジしました。
でも、昔は袋入りでの販売ではなく、ビンに詰めた状態での販売がメインで価格も数千円という今では考えられない水準でした。「もっと安く手に入らないのか?」ということで今も飼育用品メーカーとしては最大手のフジコンでクヌギマットと添加剤バイオクレスト(この商品は今も存在します。当時は5000円してましたw)を購入して発酵マットの自作にチャレンジもしましたね。
そして、ある意味当然ですが自作マットの完成具合がわからない初心者がマニュアル通りの期間で完成とみなして使用したら再発酵(今思うと使用時に加水しすぎだった気もします)で幼虫死亡祭りになるワケですよ(笑)生き残りも♂50㎜前後、♀30㎜台前半ばかりで普通のクヌギマットと大して変わらない結果に肩を落とすというオチでした…
そんな経験が今、市販のよりはちょっとだけ良い結果を出せるマットを作れるようになった現在の私を育てたんですけどね。匂いと感触でマットの良し悪しをわかるような変態になるとはあの頃は思いもよりませんでした(笑)
マット飼育はけっこう頑張りましたけど、当時はせいぜい♂65㎜、♀42㎜が最高でしたね。ちなみに同時期に購入・飼育していたサキシマヒラタは普通のクヌギマットでなぜか70㎜オーバーが普通に羽化してました。
今思うとあのサキシマは今で言うところの「大型血統」だったんじゃないかと思っています。今の飼育用品で飼育してたらとてつもないバケモノを量産できていたかもしれません。
こんな感じで昔は飼育用品が異常に高価なのに大した結果の出ないものばかりでしたけど、たったひとつだけ昔の方が良かったのは「産卵木」です。昔はシイタケもまだ原木栽培が多くて産卵木の材料となるシイタケのほだ木もたくさん生産されていたので良質のものが今と変わらない価格(むしろ今よりも安かった)で山積みで販売されていました。
もし、タイムマシンがあるなら昔の私に菌糸ビンを渡して産卵木と定期的に交換してもらいたいくらいです(笑)
と、こんな感じで菌糸ビン飼育にたどり着く前にこんなに話が長くなってしまいましたので今回はここまでにします。菌糸ビン飼育関連はまた次の機会にしたいと思います。

画像無しもさびしいので最近購入したオオクワガタ(京都府城陽市産 F2 60㎜)でも貼っておきます。