やつぱり、
ブツダ。
手塚治蟲原作、
潮出版社から發行された。
單行本の4卷で、
シツダルタは王子の身分を捨てて出家を決意する。
カピラバストウは悲しみに沈んだ。
そして、5卷が始まる。
私が今でも覺えてゐるのは、
題名である。
「苦行」と書いてある。
しかし、小さな字で「タパス」と
振り假名が書いてあつたのだ。
タパス?何の事だらう。
小學生の私は疑問に思つた。
國語辭典に載つてゐない言葉で、
どうする事もできなかつた。
今になると、
幾らでも調べる事ができる。
によると、
(引用開始)
決意の强さで、“不純性を燃やし盡くす修業”のこと
タパスの語源は、サンスクリツト語で「熱」を意味する「タプ」といふ單語です。そのまま譯すと「熱業」と呼ぶことができます。つまり、タパスとは熱をもつて自身の不純性を燃やし盡くす修業のことなのです。
タパスによつて不純さを取り除くことによつて、隱されてゐた私たちの潜在的な能力が發揮できるやうになります。
タパスで使はれる熱とは、自分に課した誓ひを守る決意の强さのこと。インドの修行僧が過酷な苦行を行ふのは、難しい課題を成し遂げてこそ、心を克服できると信じてゐるからです。
例へば、一般的にタパスとしてよく行はれてゐる斷食は、「食べないこと」に意味があるわけではありません。「食べない」という誓ひをたてたら、それを守る意志の强さが重要なのです。
(引用終了)
といふのだ。
今でも、「苦行(タパス)」といふ言葉は殘つてゐる。
現在のヨガに受け繼がれてゐるとは、
知らなかつた。