時は平成12年秋。
私は朝の連續テレビ小説「オードリー」を見てゐた。
岡本綾主演。
佐佐木藏之介、堺雅人が出てゐた。
今やコメンテーターで大活躍の長嶋一茂も出てゐたのだ。
このドラマ、初めから設定がややこしく、
愛子(賀來千香子)が母親であるのに、
何故か瀧乃(大竹しのぶ)が出てきて美月(岡本綾)を奪ひ、育てる。
父親の春夫(段田安則)は大竹に何も言はなかつた。
父親は、幼稚園の入園式で、美月の事を「オードリー」と呼ぶ。
皆に笑はれ、美月は落ち込む。
時は流れ、美月は女優を目指し、大京映畫の大部屋俳優となる。
朝倉もみじ等、先輩にいびられる毎日。
ある夜、外で多くの大部屋俳優から
吊るし上げを食らつてゐた美月。
そこに現れたのは、父親の春夫。
そこで發せられたセリフ。
「どうしたんや?
オードリー。」
朝倉もみじは、「オードリー??」と驚く。
美月は、父親との過去を思ひ出し、俯いてしまふ。
これを境に、大部屋俳優たちからも「オードリー」と呼ばれることに
なつてしまつたのだ。
朝倉もみじは、「オードリー、覺悟しときや」(正確なセリフは忘れた)と
脅す。
石井正則演じる關川が何度も「御意。」
といふ所も記憶に殘つてゐる。
一茂が美月と共演した時、どうしても美月は目をそらしてしまふ。
一茂が激怒し、「馬鹿野郎!」と
罵る所も忘れない。
そんなこんなで、記憶に殘るドラマなのだ。
二階堂樹里といふ役名を思ひ出した。
今のドラマは、二階堂ふみ。
井元由香といふ人が演じてゐた。