そらのレストラン | 映画感想 すぐ忘れちゃうのでメモ

映画感想 すぐ忘れちゃうのでメモ

映画のためになるべく映画館で見ます
リピートも大切な要素なので2回目以降の
感想も記載しています。
とはいえ物忘れが激しい自分のための備忘録
偏った稚拙な表現をお許しください。

北海道洞爺湖を舞台に
地元の方たちが
自分たちの育てた
畜産物、農産物、海産物を
多くの人に食べてもらいたいと考え
レストランをオープンする話。

「しあわせのパン」「ぶどうのなみだ」
に続く北海道三部作の三作目。

監督・深川栄洋
出演・大泉洋、本上まなみ、小日向文世
ほか

主人公わたる(大泉)は父の牧場を
継ぎ、大谷(小日向)のところへ
チーズ作りの修業に通っている。

乳牛を育てる人もいれば
食肉用の畜産を育てる人もいる。
東京から移り住んできた
若者神戸(岡田将生)はまだ見習い。
ミスをして周りに迷惑かけることも。
しかし持ちつ持たれつの人間関係。
村には笑いが絶えない。

ある日、朝市で不思議な男が出現。
実は超有名なシェフで、
彼らの産物に感銘し、それらを使い
みなさんをもてなしたいと提案する。
仲間に1人加え賑やかになる生活。
わたるが「レストラン」をやりたいと
みんなに提案する…

個人的には最高に好きな作品。
登場人物たちの感情がとても丁寧に
リアルに描かれている。
台詞のやりとりも、チョイスも濃い。
例えば、神戸が子羊のソテーを
自分には食べられないと泣く。
「ばか、いいから食え」とだけ。
この「ばか」がとても深い。

北海道の自然や料理を映画の売りに
していない。情報が先に立つと
それらの持つ新鮮さや空気が失われる。
なので、真剣にそれらを作る・育てる
彼らの表情をメインに収めている。
それで十分なのだ。すごい。

更にヤバいのが感動シーンと音。
何回も泣かされるシーンがあるのだが
そのときBGMとか突然途切れ無音。
北海道の自然や料理が写される。
思わずこちらの嗚咽が劇場内に
漏れてしまいそうになる。
こちらは必死に息を止めて堪えるが
この無音状態が結構長いので必死。
監督はそれを意図したのか、とさえ
勘ぐってしまった。

書ききれないが名セリフもあるし、
フォークリフトを使った小粋な演出も
心には沁みた。

Aの大切な人Bのために
嘘をつくことをCに依頼されたとき、
そしてそれがBにバレてしまった
ときに責められるAの辛さ。
それを慮れというセリフも
心に刺さる。

UFO要素は正直要らなかったけど
そのほか全部、いとおしい。
人は生きていると消費し、
欠けていく。
全く同じことが続くことはなくて
失うことの方が多く感じる毎日。

人生謳歌。
今あることを感謝することから
始まるんだなぁと改めて感じた。

ごちそうさまでした。
また来ます。