本日午前、山口県立山口博物館で開催中の特別展「やまぐち大考古博」を観てきた。

 

記憶の限りでは、考古学をテーマとした展覧会は山口県でほとんどなかったと思う。小規模な展示はちょこちょこあったとしても、この特別展ほどの規模の展覧会はまれなケースであろう。しかも夏休みといえば、親子向けの自然系の展覧会が多く開催されるわけだが、あえて「考古」というマニアックなテーマをもってきたところに意図を感じる(考古の専門家やファンには失礼だが)。

 

というのは、この付近にある山口県立山口美術館で「ジブリ」の特別展をやっているからで、おそらく多くの少年少女たちはそっちへ行ってしまうにちがいない。しかしそのおかげで、山博の「考古」展の展示室はぽつぽつと適度な人数の大人が観覧している程度で、じっくりゆっくり、貴重な出土遺物の数々、それも全国から集められた逸品を見ることができた。

 

展覧会経費が暴騰している状況で、助成金をうまく使っているというのも見受けられた。東京国立博物館、九州国立博物館といったところから良い資料を借用しているが、その経費の一部を助成金でまかなっているわけで、ここは学芸方と事務方が上手に連携した形跡がうかがえる。この連携は、クルマの両輪、あるいはサッカーでいう攻撃陣と守備陣との関係にもよく似ている。

 

やはり博物館は、学芸方だけではだめで、事務方にも優秀な人材が必要だ。お金がないと良い展覧会はできない。もちろん、学芸方も汗をかいて金を集める時代になってきているとはいえ、やっぱり予算が絡むところは事務のエキスパートでなければやれない部分が多い。展覧会の開催の仕方の部分で、大変に勉強になった。

 

もちろん、珍しい、よい展示物を見ることができたのはいうまでもない。わが館からもさりげなくジーコンボ古墳群の出土品が出ているのであった。