企画展「萩の近代化産業遺産」の開幕から少し落ち着いた今日、関連イベントの標記ツアーが開催された。

参加枠30名もすぐに埋まったと聞いていたが、これほど市民の皆さんの関心が高まっているとは嬉しい誤算だ。


僕としても、世界遺産になれば、当然それに越したことはない。

ただ、萩反射炉や恵美須ヶ鼻造船所跡といった個別資産だけに注目が集まるのはよくないと思っている。

それら個別資産の裏側にある壮大な近代化、工業化のストーリーを含めて、資産の位置を把握してもらいたい。

19世紀なかばの先人たちが、何も情報や知識がないまま、手探りの状態でいかなる困難に直面したのか。

そこには無数の試行錯誤、英語でいえばトライアル&エラーが積み重なっているわけである。


参加者のなかには、自ら「近代化産業遺産」のストーリーを勉強し、語り部になりたいという方もおられた。

これこそが、僕が待ち望んでいるインタープリター、つまり解説者の養成につながるわけだ。

たいへんおこがましい話であるが、諸先輩方になんとか僕のもっている情報をお渡ししたい。

そしてぜひ、街角でおおいに市民や観光客の皆さんへ魅力を語っていただきたい。


そんな明るい兆しを感じることのできる一日であった。