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この奇妙なタコ、本当はムラサキダコというらしい。
 
 
博物館の一日の運営を終え、落ち着きを見せていた夕方5時半すぎ、電話が鳴った。
 
市民の若い男性の声で、「博物館で展示していたタコが菊ヶ浜にようけおるけ、見にきい!」とのことである。
 
このときすでに、同僚の自然科学の担当者はもう、退館していた。
 
そこで、ここは百聞は一見にしかずと思い、僕がいそいでかけつけることにした。
 
 
すると、電話のあるじにすぐに会うことができ、「こっち、こっち」と手招きをされる。
 
「おお~、ほんとにおる、おる」と興奮ぎみに近づく僕。
 
電話の男性がタコを手でつかまえ、ほれと僕のほうに差し出す。
 
海へポチャンと投げると、身の危険を感じたのか、みるみるうちにタコから細長いマクのようなものが出てきた。
 
 
このとき、3匹もムラサキダコを見ることができるとは、なんとも幸せなことであった。
 
 
このたこ、体全体が紫色をしているためか、標準和名ではムラサキダコというそうである。
 
しかし、マクのようなものを伸ばして、まるで蛇のように化けるので、俗にはヘビダコともいうらしい。
 
こんな奇怪な生物についての詳細は、僕の同僚が説明してくれているので、とりあえずそちらを見てほしい。
 
 
 
とにかく、わざわざ教えていただいた男性の方には、たいへん感謝している。
 
市民の皆さんが気にしてくれているということは、夏の特別展、UMA展の効果であると受けとってよかろう。
 
このような機会に接すると、なんだかとても救われた思いがする。