菅直人氏は、戦後はじめての庶民派宰相といってよいだろう。

僕も菅首相の手腕には大いに期待しているところだ。

現状をおおいに変革してほしい。



とかなんとか、ここで政治のことをとやかくいうつもりはない。

博物館人として、ことに山口県の歴史系の博物館人として気になるのは、菅氏の出身地だ。

既報によれば菅氏は山口県宇部市の生まれだが、高校2年の時に父君の転勤の関係で東京に移住したそうだ。

よって、ふつうに考えれば、菅氏は立派な山口県人といってさしつかえないであろう。


しかし政治家の場合、とくに首相の場合は、出生地が必ずしも出身地とはならないそうだ。


首相官邸ホームページを参照すると、備考欄につぎのように記載されている。

「出身地は原則として、戦前は「出生地」を、戦後は「選挙区」を記載した。」


そこで今日の朝刊を確認すると、菅氏の選挙区は東京18区となっている。

となると、首相官邸HPに記載された原則を適用した場合、菅氏は東京都出身とみなされるわけである。


山口県民の視線からみれば、「山口県9人目の首相誕生」と胸を張りたがる人が多いであろう。

しかし、上記のような凡例に即して機械的に処理した場合、そうはいいきれないのではないか。


このあたりは、じつは安倍晋三元首相の時にも、たいへん不可思議な思いをしたことがある。

安倍氏は東京都生まれなのに、選挙区が山口県であるため「山口県8人目の総理」とされたからだ。


とにかくこの件については、まだよく検討したほうがよさそうだ。


公的にはうかつにいわないでおこう。