
それも、僕らが生きている間は、もう二度と見ることができないであろうと思われるシロモノなのだ。というのも、展示を終えた後は、再び発掘調査で出土した元の場所に埋め戻されることになっているからだ。
展示公開期間は、6月14日から7月28日までとなっているので、今月中に見ておかないと本当にもう見られなくなってしまう。萩市民に限らず、山口県民の方にはぜひ、この機会を見逃すことがないようにご注意いただきたい。
この資料は経石〈きょうせき〉と呼ばれるものである。経石というのは、石の表面にお経が一文字ないし数文字書かれているもので、それを建造物の真下に、地鎮のために埋めたのであろうと考えられている。
そこで、この経石がどこから出てきたかというと、萩市内の大照院という寺院の鐘楼門の基壇からである。この建物は、要するに釣鐘をつく場所と門とが複合的になったものであって、現在は保存のため解体修理が行われているところである。なお大照院は、萩藩(長州藩)の藩主の菩提寺であり、初代、2・4・6・8・10・12代の殿様がここに葬られている。近年、大照院は国の重要文化財に指定されたばかりである。
埋蔵文化財の担当セクションも、発掘調査をするまでは、まさかこんなモノが出てくるとは思わなかったであろうが、数百年ぶりに日の目を見たこれらの資料も、もうしばらくしたら地中に戻されるわけである。考古はこういうロマンがあるから楽しい。
経石の展示や大照院についての詳細はこちらから
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http://www.city.hagi.yamaguchi.jp/soshiki/detail.html?lif_id=24960
ちなみに今日は、午前中にちょっとだけ博物館に出てみた。やはり予想通り、メールで仕事が届いていた。少しでも早くけりをつけたかった件なのだが、なんとか来週中にはこれも決まりそうだ。だいぶいろんなことが固まり出したので、安心して原稿執筆に打ち込めるというものだ。