小笠原選手、どうして巨人へ行くの？

またまたショッキングなニュースが入ってきた。FA宣言をして去就が注目されていた小笠原道大選手が、とうとう行ってほしくなかった読売ジャイアンツに移籍することを発表した。

今年悲願の日本一、そしてアジアチャンピオンにも輝いた北海道日本ハムファイターズ、およびチームを一年間応援し続けてこられたファンの方には同情申し上げるしだいである。なにせ今年の打撃2冠を達成したチームの大黒柱が抜けるということは、単なる戦力の大幅ダウンという以上に、精神的に与えるダメージのほうがはかりしれなく大きいであろう。

ただ僕の応援するホークスにとっては、来年のパリーグ王座奪回に向けてのプラス材料となることは間違いない。

しかしながら、巨人のやり方はいつも同じパターンだ。清原和博選手や江藤智選手など、他チームの4番バッターを「優勝請負人」として根こそぎかき集めておきながら、唯一活躍したのが小久保裕紀選手ぐらいで、それでも優勝は果たせていない。原監督に交代したから、ちょっとは生え抜きを大事にするのではないかと期待していたが、これではまたいつもの繰り返しにすぎず、たいへん残念でならない。原監督にしてみれば、首脳部の考えには逆らえないというのもあるだろうが…。

ついでにいえば、松井秀喜選手が抜けてからというものの、生え抜きがきちっと仕事をできる環境を整えていないのが巨人の悪いところだ。

僕は巨人というチーム自体は好きではないが、個人的に高橋由信選手には期待している。この高橋選手に、もっとチームリーダーとしての責任感を植えつけるべきだろう。彼は打撃センスに関しては潜在能力的に超一流であっても、やはり気持ちの上で「オレがやってやるんだ」という自覚が出てこないと、才能が開花せぬままに終わってしまう可能性が高い。要するに僕は、このままだと高橋選手は、人遣いの下手な組織によって才能が潰されるのではないかと危惧を抱くのだ。

巨人首脳陣には、期待と野望を抱いて入団してくる若い選手に対してもっと寛容の態度で接し、長い目で選手を育て上げていってほしいと思う。

それにしても、なぜまたよりによって小笠原選手自身が、いまさら日ハムを捨てて巨人を選んだのか、理由がよくわからない。意外と東京に帰りたいなどという単純なものなのか、またはもっと複雑な理由が隠されているのか、なんとも想像しかねるが、小笠原選手ももう33歳。現在はバッターとして心・技・体とも非常に充実している時期なのだろうが、どこまでこのピークを持続することができようか？

とにかく今回の小笠原選手移籍に関しては、「またかぁ」というため息しか出てこない。