「史上最強馬」の呼び声高いディープインパクトがまたもマスコミを騒がしている。10月1日の凱旋門賞の惜敗から興奮冷めやらぬうちに、一昨日ぐらいからのことだが、禁止薬物使用の違反が発覚したというのだ。

凱旋門賞当日は、僕も深夜テレビの前で固唾をのみながらディープと武豊ジョッキーを応援したが、ほんとうによくやったと思う。さながらちょうど10年前、武騎乗のダンスインザダークがフサイチコンコルドに差された、平成8年(1996)の第63回日本ダービーを観ているかのようだった。

それはさておき、今回の事件は明らかに人為的ミスなのだが、いったいだれがディープにこんな可哀想なことをしたのか、事実関係をはっきりしていただきたい。ディープはもちろん馬主の所有物なのだが、ここまでの人気者になると、意識のうえではもはや個人のものでなく、ファンのものであるはずだ。

個人的にはディープよりも、4歳時(現在でいえば3歳時)の故ナリタブライアンが「史上最強馬」だと僕は今も信じている。ただ今回の件は、久々に現れたスターホースの将来、すなわち種牡馬としての値打ちがかかっているだけに、JRA、厩舎など直接の関係者には努力を惜しむことなく事実究明につとめてほしい。

そしてマスコミ関係者には、絶対に軽はずみな、ひとりよがりな発言は差し控えてほしいと強く願うのみだ。