2026年3月29日
九州遠征4日目 4城目は宮崎県の佐土原城に初訪城です。
飫肥城からは車で1時間程度で到着できます。ハードなスケジュールを組みましたが、予定通り攻略できそうです。
佐土原城は国指定史跡で、続日本100名城です。
今回の旅で何とか攻略しておきたい城でした。
到着は15時頃で、無料駐車場に停めて攻城開始です。
まず、駐車場の前には二の丸跡があります。
二の丸跡には鶴松館(かくしょうかん)という、書院造りの二の丸御殿が復元されています。
鶴松館の館内は佐土原歴史資料館となっています。
二の丸御殿は政庁として機能しており、城主の居住空間でもあった為、佐土原城の実質的な本丸だったとされています。
門の前から駐車場を撮影。
階段下には水堀が巡らせており、発掘調査で堀跡が確認されています。
復元された二の丸門と土塀。
復元された二の丸御殿の鶴松館。
外観は二条城をモデルに造られました。
鶴松館のスタッフさんに丁寧に館内を案内して頂き、佐土原城や島津氏についてなど、九州における歴史を頭に詰め込むことができました。
特に島津氏の歴史については大変勉強になりました。時間もあまり無かったので、計画では二の丸御殿での観覧は早めに終わらせて、背後の山城に行く予定でしたが、話が非常に面白くて1時間以上話を聞きました。
本日攻城した鹿児島城、志布志城、飫肥城も含めてスタッフさんの話を聞いたことで、点と点が線につながりました。
御殿内部。
明治維新後の明治2年に佐土原城を廃城にして、新たに広瀬に陣屋を移したことで、建物は破却されました。
しかし、明治4年の廃城令によって未完成のまま陣屋も取り壊されましたことで、佐土原には建物が何も残っていないとお話を頂きました。
この大広間は写真撮影可でしたが、その先は展示品がある為、写真撮影不可でした。
展示室では西南戦争や島津氏についての貴重な資料を見ることができました。また、佐土原城の発掘調査や出土品についても説明して頂きました。
館内は無料でスタッフさんの解説付き。
贅沢なほど充実した内容と時間を過ごせました。
鶴松館の開館日は土日祝のみですが、山城に登る前に立ち寄ることをオススメします。
赤い道は立入禁止となっている道です。
登城路にも案内板に地図が貼ってあるので迷うことなく進むことができます。
時間は予定よりも押してしまいましたが、大手道より佐土原城の山城に向かいます。
佐土原城は南北朝時代に田島氏によって築城されたと考えられています。
その後、日向一帯に勢力を誇った伊東氏の所領となった後、島津家久が領主となります。
1603年に島津似久が佐土原藩初代藩主となり、1611年に大改修をしました。
現在の佐土原城の原型はこの時に構築され、山城と麓に居館エリアを配置する城郭となりました。
大手道に入ると二の丸御殿があった居館エリアとは、テイストが一変して山城の雰囲気を漂わせます。
志布志城に続いて、佐土原城でもダイナミックな切通を見ることができます。
垂直に削り落とした高さのある切通。
佐土原城も3万年前の巨大噴火で噴出した火砕流堆積物で作られたシラス台地です。
深い堀や切通は、シラス台地に造られた城特有のスタイル。
高さがある上に、狭く圧迫感のある切通を突き進みます。
急な坂を登りますが、地面は整備されているので登りやすいです。
この切通が長いこと続きます。
大手道の登城路。
佐土原城は慶長期に改修されていますが、山城部分は基本的に戦国期の城をそのまま生かしているように感じます。
登城路の至る箇所がブルーシートで保護されています。斜面が崩れてしまっているようです。
洞窟が至る所に掘られています。志布志城でも同じく洞窟が多く掘られていました。
後世に掘られた穴なのでしょうか。すごく気になります。
尾根を分断した堀切。
この堀切の下を通り抜けて、さらに本丸方面へと進みます。
大手道は途中で通行止めになっており、迂回ルートが整備されています。
応急で階段が設置されています。
佐土原城では平成30年と令和4年の台風によって、大規模な崩落と倒木の被害にあいました。
迂回路の階段を降りると、再び堀切があります。
こちらは、解説板もあるので分かりやすいと思います。
高さ5〜6mほどで、大手道を回避して最短ルートで攻めてくる敵を遮断する目的で造られたと考えられます。
佐土原城の地形形状を見ると、ここに堀切を設けた理由が何となく分かります。
振り返っての堀切。
この堀切を抜けると南の城に行くための分岐路がありますが、土砂崩れによって南の城とその先の松尾丸は立入禁止となっています。
江戸時代には南の城には御殿があり、松尾丸には櫓が建っていたそうです。
堀切付近にも洞窟があります。
本丸下に配置された曲輪。
こちらも立入禁止によって直進はできないので曲輪内を通過します。
赤色立体地図で確認すると、直進した先にも堀切らしきものがありました。
この曲輪には特に解説板も無かったので、何があった曲輪なのかは不明ですが、本丸の下にある曲輪なので、兵を駐屯するための施設だったのでしょうか。
曲輪の細い脇道を下ると、ついに本丸が目の前です。
急な階段を登れば本丸です。
この階段は最近になって設置されたようです。
本丸の枡形虎口。
ここまで様々な防御の仕掛けがありましたが、この本丸虎口が最後の防御ラインとなります。
上から見た枡形部。
90°折れ曲がり本丸となります。
枡形は土塁で高くなっており、おそらく門も設置されていたと思われます。
本丸は標高72mで広い曲輪となっています。
掘り下げた道で曲輪を分割して使用されていたようです。
1611年に大改修をされ、江戸時代の初期までは本丸も使われていたようですが、1625年には本丸を含めた山城は廃城になったそうです。
本丸から見た天守台方面。
尾根が突き出した奥に天守台があります。
本丸と天守台がある曲輪は段差になっています。
何となく斜面の下が窪んでいるので、空堀があったのでしょうか。
大手道 枡形虎口の反対側には、天守台があります。
佐土原城を描いたとされる屏風には天守の姿がありましたが、二ノ丸と思わしき場所に天守が描かれており、天守は本丸にあるという常識と、南九州には天守がある城は無いという常識から、信憑性に欠けると言われてきました。
しかし1996年の発掘調査で天守台が発見されました。
さらに金箔瓦や鯱の一部が発見されたことで、佐土原城には天守があったと判明しました。
天守の築城については九州平定を果たした豊臣期か、徳川期か判明はしていませんが、個人的には金箔瓦が発見されていることを考えると、天守は豊臣期に造られたなのかなと思います。
鶴松館のスタッフさんに教えて頂いたのは、江戸幕府に提出した絵図には天守は描かれていなかったが、藩の絵図には天守が描かれていました。
意図的に違う絵図を提出した可能性があると聞きました。わざわざ絵図のプリントまで見せて説明して頂きました。
佐土原城は「日本最南端の天守があった城」です。
発掘調査では根石を含めた縦2列の石垣が発見されています。
天守台から見た本丸方面。
かなり低くめですが、周囲には土塁も確認できました。
長い年月の中で低くなった可能性があります。
天守台の脇には麓の二の丸御殿に繋がる中の道があります。
長い階段を降りると堀切がありました。
佐土原城には大手道と中の道の2つが主なルートとしてあります。帰りは中の道から下山します。
中の道と同じく細い山道が続きます!
中の道の中間くらいにコンパクトな曲輪があり、東家があります。
用途は不明ですが、中の道の登城路を見下ろすことができるので、防御的な施設だったのでしょうか。
東屋の脇道を通ってさらに下山。
中の道にも切通が健在!
大地を見事なほど垂直に削り落としており、上から狙われているような感覚に陥ります。
切通に開けられた穴。
解説板があり、これは門がこの場所にあった痕跡です。
この高さの切通に門があったと考えると、突破は容易ではないと思われます。
中の道の麓までは切通の道が続きます。
麓に到着すると平坦な道を進むことになります。
大手道からスタートして、中の道から下山すれば山城をスムーズに1周することができます。
麓の平地部。
この辺りにも曲輪の跡なんでしょうか。
山に沿って水が流れており、堀のように削られています。後世に掘られたものか、自然地形かは謎ですが一応写真に納めました。
蔵のような建物は出土文化財管理センター。
この場所には御普請所があり、藩内の土木工事を管理する重要な場所でした。
発掘調査で大きな建物があったことが判明しています。
出土文化財管理センターの前にあるのが、反米役職跡。
そして、登城した二の丸御殿及び大手道の登城口に戻ってきました。
二の丸御殿の前に広がる平地は御馬繋馬役職跡と書いていましたが、何をしていた場所かは分からず。
山城に関してはおおよそ1時間少々で周り切りました。立入禁止エリアも多かった為、そこまで時間を要しませんでした。
迂回ルートができるまでは、本丸にも行けなかったようなので、本丸だけでも行けるように整備して頂き感謝です。
佐土原藩は島津家の分家であり、日向国那珂郡・児湯郡内で3万石で独立。
幕末まで11代続きました。戊辰戦争では本家の薩摩藩と一緒に新政府軍として戦いました。
佐土原城の築城年は1350年頃、田島氏によって築かれた長い歴史を刻んだ貴重な城です。
現在は災害で傷を負っていますが、いつか復活することを願っています。
佐土原城を無事に攻略して本日は終了です。朝7時から、お店で食事する時間も削ってストイックに4城を攻めました。
今日は宮崎県の延岡市のホテルに宿泊です。































































































































































































