詩 | shingo722のブログ

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 「詩」
 
 その言葉を紡ぎ出したとき、確かに彼女は命を削っている様に見えた。
「花として生き 花として散る そういうふうに 私も生きたい」
 彼女は私の高校の同級生であり、詩を書くのが趣味だった。休み時間などによくノートに詩を書いていたが、その大半は誰に見せる事なく彼女の心のうちにしまわれたままになっていた。彼女はもともと身体が弱く、学校を休みがちではあったが、それでも休み時間など僅かな時間を見つけては僕たちはよく話をした。
 彼女の容体が急変したという知らせを受け取ったとき、僕の頭にまず浮かんだのが、先ほどの詩であった。自分がどれほど生きられるか分からないという切実さを持って彼女は詩を詠んでいたのだ。
 今では彼女の詩を連ねたそのノートは僕の手元にある。その内容を読むとき、僕は特別な感慨に打たれないわけにはいかなかった。短い命を燃やして紡がれた言葉の持つ気迫が、確かにそこにはあった。