街の光 | shingo722のブログ

shingo722のブログ

ブログの説明を入力します。

 「街の光」
 
 深夜のアパートの暗い廊下を抜けて玄関のドアの前にやっとの思いで辿り着く。そしてポケットから鍵を取り出して乱雑に鍵穴に突っ込む。鍵穴の周りは傷だらけだ。しかし、こんなに酔って帰ったのは久しぶりだった。玄関を入って右手に洗面所がある。そこで胃の中の物を洗いざらい吐いてしまう。口をゆすいだついでに顔まで洗い、正面の鏡を見た時、これが自分の顔かとうんざりした。削げた頬、異様にギョロギョロとした目、そして荒い呼吸。頬にはここ2、3日の無精髭が貼り付いている。だが、と僕は思う。目の光だけは失っていないつもりだった。この街で成功を掴むまで、逃げるつもりはない。そう自分に言い聞かせた。深夜2時のアパートの暗がりの中でもがきながら、僕は眩しいばかりの街の光を求めていた。