現在SMGではキャッシュリッチ講座と経営塾という2つの講座を開催していますが、
その中で最近変動損益計算書に何度か触れています。
その影響もあって、
個別相談などでも変動損益計算書についてのご質問を多くいただくので、
今日は改めて固定費と変動費について、区別の仕方をベースに解説をします。
まず損益計算書の作りについて
一般的な損益計算書は、
売上高から原価を引いて粗利益を出し、
そこから販売費及び一般管理費を引いて営業利益を出し、
という順序があります。
よく見る損益計算書はこういった形だと思います。
経営塾などで色んな方の損益計算書を見ていると、
この売上原価のところに固定費が入っていることが多々あります。
財務的な分析をしたり、
経営を安定化させていくためには管理会計の視点が必要で、
そのためには粗利益、つまり売上総利益をどれだけ正確に把握できるか、が大切になってきます。
この売上原価の中に固定費が入ってしまっていると
正確な売上原価、つまり売上のために供された費用が出ないため
売上総利益が正しく出てきません。
そのためこうした一般的な損益計算書とは別に、
変動損益計算書を管理会計の視点から作成することが重要です。
まずは売上原価の内訳を、正確に変動費と固定費に分けてみましょう。
といっても変動費の基準は・・・?
となる方も多いかと思います。
変動費の基準は、
売上の増加・減少が発生した際に、
同じ割合で増加・減少が発生する費用を変動費とします。
例えば
売上が10%上がったときに10%増える費用が該当します。
よく例として出てくるのが、
商品を運ぶ運賃であったり、
売れた金額によって計算される販売手数料などです。
逆にこの手数料でも、
売上がゼロでも手数料が発生するような場合は、
変動費ではなくて固定費に入れたほうが正しいです。
売上がゼロなら支払いもゼロになり、
売上が増えれば同じ割合だけ増えるものだけを変動費としてください。
こうすることで、例えば100万円の売上に対して
いくらの原価がかかっているのか、が正確に計算出来て、
そこから生まれる利益も正確に導き出せます。
なぜ粗利益を正確に把握する必要があるかと言うと、
まずこの正しい粗利益を出せている状態で推移損益計算書といって、
毎月の数字を並べていくと、
原価率、利益率がある程度同じ数値になってくるはずです。
これが安定してくると、
数値が急に変動したときに、その原因を探ることが出来るようになるので
赤字黒字の原因究明がスムーズになることと、
それに対する対応策を早急に講じることが出来るため
経営が安定するようになります。
原価率と利益率が安定していないと、
いくら経費を削ったところで利益は安定しません。
毎月の利益を安定させて、
経営自体を安定させていくためには
正しく変動費と固定費を把握して、
売上に対する原価を正しく計算すること。
これが経営の安定への第一歩です。
今手元にある損益計算書の原価が正しいかどうか、
もし税理士さんに全て依頼しているのであれば、
その原価の内訳を一度確認して見るようにしましょう。