本当にその現金、手元にありますか?
何度かこのブログでも書いていますが
決算書の現預金の残高は
銀行評価においてはとても重要です。
期末時点での現預金残高は
多ければ多いほど良い、、、
のですが。
こと税務調査においては注意が必要です。
というのも、
預金残高は基本的に通帳記帳したものをエビデンスとするので問題はないのですが
現金においてはその限りではありません。
現金出納帳など、手書きの帳簿がエビデンスになるため
場合によっては
実際の残高と異なっていることが多く
あまりにも多額の現金残高が記載されていると
税務調査の際に確認されることがあります。
なぜそのようなことになるのか?
理由としては役員貸付金です。
期中に社長が会社からお金を借りていた場合、
弊社でも決算までには返済してくださいとお願いしている通り
決算書に役員貸付金が記載されてしまうと
銀行評価にマイナスの影響が出ます。
ただ金額が大きくなってしまい
返済ができなかった場合
役員貸付金を、現金に書き換える、という処理をしてしまう場合があります。
会計処理としては下記のようになります。
現金/役員貸付金
この処理をすると、
期中に社長が会社から借りた借金が無くなり
その代わりに現金が増えるという形になります。
この処理自体が利益に影響を与えるわけではないですが、
そういった方法で間違った決算を組んでいると認識されると
税務調査において心象が悪くなるため
他の部分も細かくチェックされるきっかけになる危険性があります。
また銀行においても、
期中に試算表などを提出していて
普段の現金残高のアベレージを知られていると
決算時点で明らかに多額の現金残高があると
社長が個人的に借りている、
つまり資金の流用があるのではないか?
と疑われることも考えられます。
貸付金を消すために
嘘の会計処理をすることは
税務調査においても、銀行評価の面においても
リスクが高くなるため、注意するようにしてください。