「痛い」と「気持ちいい」が同時にやってくる、イタ気持ちいい感覚とは何か? | 身体の使い方の秘訣 〜運動の土台、整体の土台は、身体の使い方スキルUPにあった〜

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● 「痛い」と「気持ちいい」が同時にやってくる、イタ気持ちいい感覚とは何か?

こんにちは、山崎です。

昨日のセラピスト養成講座で、生徒さんから

「慢性痛と、イタ気持ちいい感覚の違いは何か?」

と聞かれましたが、今まで「痛み学」を学んできたわけだから、自分で考えて納得のいく答えを見つけてもらいたいので、「酸欠を考えろ」と示唆しておくだけにしてみました。

自分で考えてくれているでしょうか。


「痛い」と「気持ちいい」が同時にやってくる、
イタ気持ちいい感覚とは何か?


これを論理的に納得のいく説明など聞いたことがないと思いますが、僕ももちろん聞いたことはありません。

それでも、自身の身体で実践研究を積み重ね、「痛み学」をそこそこ学んできた人間として、ひとつの結論(現段階でのベスト)へは到達しているので、今日は結論へ至るためのキッカケを掴んでもらえたらと思います。


昨日のセラピスト養成講座での「解剖学」講座の資料作成。
明日のインテリジェンス講座での「勇気と感情コントロール」講座の資料作成。

これらで死にかけていましたが、ようやく作成が終えました。そして、何とかブログを書くエネルギーが残っていたので、昨日の質問(イタ気持ちいい)について考えてみます。


顧客への施術でトリガーポイント(緊張度の高い箇所)に触れると、「痛い」と言われるのが普通の感覚です。

それでも、生徒さんやクライアントさんらは、「訓練」を積んでいるため、僕が触っても「痛みを逃す方法」を身体で知っており、自分で自分の身体をゆるめることができます。

触っても「痛くない」という身体です。


この身体がゆるんだ状態は「痛み」が発生しないわけですから、「イタ気持ちいい」とは言いません。

痛くないのですから。

でも、顧客として施術をしてもらう時には、全く痛くないより「イタ気持ちいい」方が喜ぶはずです。

全く痛みを感じさせずに快感へと導く施術もありますが、全く痛みを感じない施術を行うと「本当にこれでええの?」と疑ってしまう顧客が多いのも事実なのです。


これら感情が起こる理由について考えてみてください。

そうすれば、

痛みという対象と積極的に関わることの重要性

がわかるので、この問い(イタ気持ちいい感覚)について深く考えることが大切です。


僕は常にこの「イタ気持ちいい」状態を自分の身体で作っており、特に上背部は「イタ気持ちいい」状態を積極的に作り出すよう心掛けています。

その理由は、お風呂に浸かって「無自覚に痛みが取れた」では再現性のない対症療法になるからです。

根本的に“痛みを逃がす技術”を身に付けたいから、敢えて痛みを発生させる身体の使い方(姿勢)になるよう心掛けているということ。

元々、僕には上背部の筋肉、筋膜の緊張があります。

ですから、この緊張を更に「自覚」させることによって、痛みを自分で取り除く術を根本的に身に付け、自分の身体の緊張と弛緩をコントロールできるようにし、異次元の動きも獲得したいんですね。


では、どんな時に人は「痛い」と感じるのでしょうか。

痛みが発生している時とは、抽象的に言うと「ストレスが掛かっている時」であり、ストレッサー(ストレス要因)から逃れられないケースです。

肉体的、筋骨格的には、筋肉や筋膜などが緊張している時であり、これらのケースでは「酸欠」が起こります。

心理的要因、化学的(インフルエンザウイルス等)要因など、ストレッサーには様々な4つの要因があるとされていますが、これら外部からのストレッサーは、肉体へストレスになって還元されます。

ストレッサーの出現によってストレス反応が起こり、酸欠が起こって発痛物質が出現し、結果的に脳で「痛い」と認識するというのが、侵害受容性疼痛の基本的な仕組みです。


ここで思い出してもらいたいのは、施術の指という刺激(ストレッサー)を加えた時に、「痛みを逃がす技術」を獲得した人がいるという事実。

彼らは、通常「痛い」であろう刺激を加えても、肉体的な「痛み」を逃すことができるのです。

これらを踏まえて「イタ気持ちいい」という感覚とはどんなものか、自分で結論を導き出してもらえたらと思います。


心理的な痛みも同じ仕組みであり、人は「不安」や「恐怖」などの心の痛みを抱えています。

・心が痛い、だから逃げる。
→その場での痛みは取れる。
→でも、根本的解消には至らず、ずっと心が痛い。

こんな具合になりますが、心の痛みを取り除くプロセスでも、「知らないうちにパッと心の痛みがなくなった」というのは無自覚であり、根本的な改善には至らないので危険だと僕は思っています。


心の状態も、「イタ気持ちいい状態」がベター。

肉体も心理も同じなんですけど、人は「痛み」を毛嫌いする傾向にあって、この固定観念が痛みを更に増長させます。

この「肉体的な痛み」や「心理的な痛み」に対する固定観念を変えないと、「痛みを回避する行動」を取ってしまい、回避するとまたストレッサーが出現するので、根本的な解決が何もなされないまま。


だから、

「苦悩があるけど心地良いという人生」

への昇華が大切だと思っています。

苦悩と正面から向き合って、そういう人生を楽しんでいる生徒さんたちが増えてきていることを嬉しく思います。

とはいえ、これらが腑に落ちるまでには時間が掛かる人もいるので、講座では「勇気と感情コントロール」について話すので、更なるヒントを得て、苦悩を楽しめる人生を送ってもらえたらと思っています。

心理学者アドラー的に言うと「劣等コンプレックス」を抱えたままだと行動できない人のまま一生を終えてしまったり、はたまた「優越コンプレックス」を抱えてしまうので、正常な劣等感を持つように伝えます。

正常な劣等感。勇気。

こういう感情の仕組みがわかれば、成長できる人間への昇華が始まります。






追伸)

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