騙す方も騙す方、騙される方も騙される方 | 身体の使い方の秘訣 〜運動の土台、整体の土台は、身体の使い方スキルUPにあった〜

身体の使い方の秘訣 〜運動の土台、整体の土台は、身体の使い方スキルUPにあった〜

身体の使い方をレベルアップさせる秘訣を公開しています。

美しい姿勢、変幻自在な動き、対人関係におけるベストな「間」、疲れにくい体質の構築など、身体を「思い通り」にデザインする方法、整体施術をレベルアップさせる方法についてお伝えします。


● 騙す方も騙す方、騙される方も騙される方

パーソナルトレーナーの山崎です。


今日は十八番の野球の話と、人間心理について書いてみます。

昨日の日本シリーズでは、巨人の打者、加藤捕手に対して投じた、日ハム多田野投手の一投が『頭部への危険球』だと主審に判断され、退場処分になりました。

加藤選手はその場で倒れ込み、うずくまっていましたが、映像を確認すると、どう見ても頭部へボールは当たっていませんでした。

これが、紀の大誤審であると報道されており、多田野投手は怒りを露わにして「騙す方も騙す方、騙される方も騙される方」とコメントを残したそうです。



この場面を見た人、またこの記事を読まれた人は、加藤選手のことを「千両役者だな」「スポーツマンシップのないフザけた野郎」なんて思われるかもしれません。

実際、加藤選手の次の打席では、札幌のファンから「ススキノ歩くな!」というブーイングを浴びせられたそうです。

この話を聞いて、あなたはどのように感じますか?



スポーツの発祥は、『遊び』から生まれたと言われています。

この一連の世間の賑わせぶりを眺めていると、「やっぱり野球は遊びの延長線上なんだな」とガッカリせざるを得ません。



多田野投手は、自分が危険球と判断されてしまうような球を投げたにも関わらず、自分の責任を棚にあげ、自分を騙した加藤選手(打者)と、騙された主審に対して怒っています。

・審判は絶対に判断を間違えない
・打者は正々堂々と勝負をしてくれるはずだ


この2点の前提が崩れましたが、元は自分がコントロールされたギリギリの球を投げれば良い話です。

危険球で退場になってしまったわけですが、これで多田野投手は退場処分となったわけですから、この試合で彼の存在はなくなった(死んでしまった)ことを意味します。

正しいことをやっていようが「死んでしまったら言い訳がきかない」という大前提が、多田野投手にはありませんでした。



野球というスポーツは、打者と投手(捕手)の騙し合いです。

打者が投手に対して「ストレートを投げてくれ」と思ったら、投手や捕手は、その打者心理を読み取ることで、逆を突く変化球を投げたり、ボール球(つり球)を投げたりして、見逃しや空振りを誘います。

また、野手は『隠し球』をすることが、ルール上でも認められています。



過去には、珍プレー好プレーでもお馴染みの、広島東洋カープ達川光男元監督が、デッドボールではないのにデッドボールとアピールをされている場面があったことを、ご存知の方も多いと思います。

野村克也元監督、達川光男元監督らは、捕手という位置から打者に囁き、「打者の心理を撹乱させよう」と試みておられたことは、テレビでも語られていることですね。

野球に限らず、スポーツを遊びレベルとして捉えているのか、なりふり構わず勝負に対して勝ちに行くのか。

野球に対する姿勢が、多田野投手のこの発言を呼んでしまったのでしょう。

残念ながら、「甘すぎる」としか言いようがありません。



ここで少し整理をしてみると、加藤選手は、

・意識的に騙したのか?
・無意識で本当に当たったと思っていたのか?

ここを判断するのは非常に難しいと言えます。



加藤選手は「何が起こったのか分からなかった」とコメントされていますが、球速140km/hのボールが、顔面近く迫ってきた時の恐怖に対して、一瞬で我に返って演技をしたのであれば、それはそれで凄いレベルの演技だと言えます。

映像を確認すると、どう見ても顔面にボールが当たっていませんが、無意識で本当に当たったと思っていたかもしれないのです。



こういう出来事は、我々の社会でも頻繁に起こっています。

自分が試したこともないようなサプリメントを、「これダイエットにお勧めですよ」と、もっともらしくお勧めしてしまう店員。

「そうなんですね、じゃあ買います」と購入してしまう消費者。

どっちもどっちだと思いますが、僕が消費者の立場なら、基本的に店員の言葉を信用しないという前提で話を聞くと思います。

店員の立場であれば、自分が試して成果の出たことを、そのままお伝えするでしょうし、試したことのない商品をお勧めすることはありません。

本当に痩せるかもしれないけど、自分は知らないんだから、他人に勧めることはできないんですよね。



「リラクゼーションできます」と謳いながら、実際は他人の身体に『緊張の刺激』を送っているセラピストは、自分自身は本気で「リラクゼーションできる」と思っています。

セラピストは顧客を騙しているつもりはないけど、実際には騙してしまっている。。。

社会では、こんなことが頻繁に起こっているので、真実を見極める目を持っていないと、よくよく騙される側の人に回ってしまいます。



僕の言っていること、推奨していることも、社会で一般的に起こっていることと同じかもしれません。

だから、過剰に期待したり、信用しないでもらいたいんですけど、無意識であっても騙す側の人間になりたくないので、和身塾スクールでは徹底的に『検証』を試みています。



例えば、僕が「投げ」を仕掛ける。

すると、生徒さんは指導者である僕に遠慮するからか、「投げられた方がいいな」と判断し、投げられてはいけない場面でも、勝手に転ばれたりします。

「いやいや、俺は投げてないよ。勝手に転んだらアカン」

そんなやり取りを徹底し『できる限り客観的な真実を追求する』という姿勢で挑んでいるのが和身塾スクールですが、それでも「真実は遠いな」というのが本当の感想です。



「理想の身体に近付けます」

「年齢を重ねても動ける身体を作れます」

みたいな言葉を、実際化して生徒さんらに感動してもらえると、こちらも嬉しくなりますから、これからもなるべく真実に近付けるように追求していきたいですね。

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