青い炎通学路の風景描写で始まり、風景描写で終わる。だが、主人公である櫛森秀一に見える景色のあり方は全く違う。彼は最後諦観にも似た感情を抱きながら景色を見る。それまで何十回と見て来た景色、最後にその目におさめるために。殺人、それは立場が変わればその意味を変える。彼は理解出来ないと独白した、夏目漱石の明暗の先生、奇しくもその人と同じ結論に至る。過程や理由に違いがあったとしても、たどり着いた場所は一緒だった。窓の外では、雪が降っている。雪はいい。世界を洗っている様に思えるから。寒いけど。