FIRST PERSON / 「プーチン自らを語る」【時事所感129】 | 多事争論(時事所感)

FIRST PERSON / 「プーチン自らを語る」【時事所感129】

meaning of lifeの観点からお話しようと考えていた内容を含めて今回はロシア・プーチン大統領についての話を中心にロシアの話をしましょう。


米国ワシントンD.C.在住の国際政治が御専門の金融アナリスト伊藤貫氏が一冊の書籍を紹介して話をしています。


『FIRST PERSON / VLADIMIR PUTIN』

※『(邦題)プーチン、自らを語る』

2000年に初版が出版されて、邦訳書も出ていました。

当時の日本でも一時話題になったのですが、直ぐに立ち消えました。

個人的に邦訳書を探しましたが、おそらく邦訳書は絶版なのか在庫はいずれも見つかりませんでした。

伊藤貫氏の話では、米国アマゾンで約14ドル程度であるそうなのですが、日本のアマゾンで検索したら一冊60万円の値段が付いていたそうです。

機会があれば図書館で読むか英訳書籍を読もうかと考えています。


22年前の当時、ロシアのプーチン氏に数日に渡って長時間インタビューしたものを一冊の書籍にまとめたものです。







彼、プーチンはこのインタビューの書籍のなかで、

「私には“historical mission”歴史的使命がある」

と述べています。

「ロシアは(ゴルバチョフ~エリツィン政権期の失政のせいで)このまま放置すれば旧ユーゴスラビアのように崩壊分裂して、いずれ消滅してしまう。」

※注釈(米国政府のロシア弱体化政策を察知して危惧)


「我々ロシアはロシア領土だけではなく、ロシアの伝統的精神性や価値観、社会制度等回復して保守しなければならない」




※(ロシアの歴史を遡れば、過去400年の殆どは皇帝や権威的リーダーの統治制度がロシア的制度)

※(「ロシアという国家は超権威的リーダーの存在でなければ、国家を纏め上げ統治することは難しい」・・・G・ケナン、S・ハンティントン、キッシンジャー、ジャックFマトロック、Jミアシャイマー、)

「米国の対ロシア政策は思慮深さに欠けている。~ロシアの伝統や文化を根本から変えてしまう。米国政府がイメージするような体制を真似するように仕向けるものである。」

「米国は(ロシアに対し)優越、幻想と虚栄心に満ちて傲慢である」

「ロシアと周辺国(ベラルーシ、モルドバ、ウクライナ等の旧ソビエト連邦領域)の間で国境線を引くことは根本的に不可能」


※(ロシア「旧ソビエト連邦領域」は過去約700年~約1000年の長い歴史のなかで、多民族が構成した社会領域であるために境界線を定めるのは困難、当事者である該当民族や住民にも困難な程であるため。)


これらがロシア専門家、元米国政府高官、元駐ロシア大使、国際政治リアリストの見識です。






プーチン大統領の話に戻ります。


伊藤貫氏がロシアのプーチンと米国のキッシンジャー氏の逸話について紹介しています。



プーチンがロシアのK.G.B.を離職することになって、勤務地東ドイツからロシア帰国後、サンクトペテルブルクの市長の補佐役(副市長就任前)に就いていた頃、

米国企業のコンサルタントをしていたキッシンジャー氏が仕事でロシア・サンクトペテルブルクを訪れています。

市長から指示された部下の若きプーチンは空港までキッシンジャー氏を出迎えに行って、送迎の車中でキッシンジャー氏の質問攻めにあったそうです。

「君は何者か?」

「仕事は何をしている?」

「今までどんなキャリアがあるのか?」

最近までK.G.B.で秘密諜報活動を任務としたスパイだったとは言えないので、話を誤魔化しはぐらかししたけれどもキッシンジャー氏がやたらと質問攻めしたらしく、

正直に元K.G.B.のエージェントだったことを明かしたそうです。

するとキッシンジャー氏が嬉しそうに、

「私も元はC.I.A.の諜報員、スパイだった」


「俺達優秀な人間は諜報員から人生のスタートを始めるものだ」

と返答したそうです。


キッシンジャー氏が若いプーチンに、

「現在の(エリツィン政権)ロシアをどう思う?」

と質問したそうで、

若造でまだ組織で下っ端のプーチンには政権批判を公に口に出来ないために遠回しな表現で、

「今のロシアは変な事をやっている。納得出来ない。」

という主旨の返答をしたら、キッシンジャー氏が、

「今のロシア・エリツィン政権は奇妙な事をやっている」

「『ペレストロイカ』とか『グラスノスチ』とかスローガンや政策の名目を大袈裟に声を大にしたところで事が上手く運ぶわけではない。そんな素人考え程に世の中甘いものではない。」

と語ったそうです。


このキッシンジャー氏の話を聞いてプーチンは嬉しかったそうです。

初対面の米国から来た要人が自らの考えと同じだったことに驚きと併せて、自己の考えに確信を持てたそうです。

これを機にキッシンジャー氏と若造プーチンは意気投合して、話が尽きなかったそうです。


キッシンジャー氏とプーチンが良好な関係にあるのはこれが始まりで、

現在も二人の良好な関係が続いていて、

キッシンジャー氏が現在高齢のために車椅子生活に入るまでは屡々会っていました。




プーチン大統領についての話は長くなりますので、伊藤貫氏の話と、

私の見識のなかから数回にわたってお話しします。


次のプーチンについての話についてお話する際に、

極めて優秀な指導者、政治家には3つの要素の必要性と重要性についてお話します。


伊藤貫氏曰く「3つのP」と表現しています。


①Politics/Policy

②Paradigm

③Philosophy

この3つを兼ね備えた人間が極めて優秀だという話を交えてお話します。





残念ながら日本の政治家にはいませんが。