元チーフプロデューサーの宿題【時事所感100】 | 多事争論(時事所感)

元チーフプロデューサーの宿題【時事所感100】

最近、若い人と話をしたときのこと。


「大東亜戦争」という言葉を知らないことに驚きました。






もう20年以上も前の個人的宿題を思い出したので、その話を。 




戦争について東京キー局の報道チーフプロデューサー(CP)と話をしている時、


「ずうっと君は太平洋戦争という言葉、呼称を使っているが、意味は判って使っているか?」


と問われました。


「他にあの戦争の名前や呼び方は知っているか?」


「第2次世界大戦、あとは大東亜戦争とか・・・。」


と答えると、


「じゃあ何故その呼称、名称を使ったの?理由は?」


「一般的に皆、この『太平洋戦争』という言葉を使っています。だから私も使っているのですが・・・。」


「じゃあ何故こんなに呼称や名称があるの?」


「日本側と米国側の呼び方の違いですか?」


「じゃあ何故米国側の呼び方を使っているの?」



答えられませんでした。



当時はスマートフォンは無くパソコン検索なども今のようなシステムが充実していない時代、

色々と書籍を調べても若造の私には判りませんでした。


今になって振り返ると、知るための事象やヒントになるものを結構知識として持っていたけれど、答えに繋げる術を持ち合わせていませんでした。






話を本論へ戻すと、

「大東亜戦争」と「太平洋戦争」、

日本米国間の先の戦争の呼称・名称が何故違うのか、

現在の若い世代はこれを知らないのか。



理由は、米国側が「大東亜戦争」という言葉の使用を禁じたからです。


「大東亜戦争」名称使用禁止の理由は、

アジア地域の戦争という意味合いをやめて、

日米間の太平洋地域の戦争という意味合いへシフトさせる、印象を醸し出す必要性があったからです。


終戦直後の閣僚発言や各新聞紙面でも「大東亜戦争」という言葉が使われています。


しかし敗戦から4ヶ月後の12月になると、

発言や新聞紙面では「太平洋戦争」へと表現が変わります。


終戦直後、敗戦国日本の処理について準備を進めるなかで問題が表面化し始めます。


「日本の自衛的開戦は止む無し」


GHQのマッカーサー元帥をはじめ、こうした判断や意見が出始めます。


更に補足すると、欧米諸国列強各国がアジア地域に我先にと進出・展開していた国際潮流のなか、

アジア地域と日本の自衛的戦争という意味は、

これから開廷する軍事裁判には大きな支障があり邪魔だったのです。


「アジア地域を含めた日本の戦争」という意味合いを含む『大東亜戦争』の表記を、

神経質な程に禁じ、

「太平洋地域で起こった米日戦争」という雰囲気を醸す『太平洋戦争』表記へ改めていきます。









発言は元より出版物、記録物の「大東亜戦争」が黒塗りに塗り潰す支持が出され、

学校の教科書も授業時間の大半を黒塗り潰し作業に費やす日々が長い間続いたのです。



日本人の殆どが米国側の心象操作や思想信条の放棄にどっぷりと浸かってしまったのが現在でしょう。