拡大自殺 【時事所感54】 | 多事争論(時事所感)

拡大自殺 【時事所感54】

神奈川県川崎市で、
登校中の小学生児童や見送りの保護者だった外務省の男性職員等18人の死傷者を出してしまう、痛ましい事件が起きてしまいました。

お悔やみ申し上げます。

被害にあわれた負傷者の一日も早い回復をお祈りいたします。




事件が起きた所は昔に知っている場所だったこともあり、思い出してみれば、駅利用者も多い郊外のベッドタウンで平穏な街風景だったと記憶しています。

そんな平穏な街の平和な日常を一変させたこの事件。

あまりに衝撃的故にこの事件についていろんなことが言われています。

新聞やネットをみていて、個人的には何か釈然としないものがありました。

児童の登下校時間帯やルートの更なる警備強化の指示といっても、
やらないよりはやるほうがよいけれど、
継続性が必要であり、一時的な措置では万全とはいえず、
警備強化にもいろいろな面で限界があるのではないか。

「一人で死ねば~」といった発言に端を発していろんなことが言われている。
けれども、それだけではこうした類いの事件防止や抑制にはならないのではないか。

こうした痛ましい事件を抑制することも大事だけれど、何故このような事件が起きてしまうのか、その要因を改めることも重要に思います。



これを機に国内の殺人事件の発生率を調べてみましたが、減少傾向がずっと継続している。
世代別や発生件数などいろいろ調べてみても、
とりわけ該当する問題点らしきものが見当たらない。

釈然としないなかである記事を目にしました。

「拡大自殺」
この言葉の定義は
①本人の死の意思がある。
②他者の同意無しに自殺行為に巻き込む。
③犯罪と、他殺の結果でない自殺とが同時に行われる。
④自己中心的な動機でなく、利他的な、または偽利他的な動機から犠牲者を道連れにしようとする。
⑤犯罪の結果について熟慮せずに自発的に行われている。


この「拡大自殺」
具体例をあげれば、
米国のコロンバイン高校銃乱射事件、
日本では遡ると岡山の津山事件や大阪の教育大付属池田小学校事件、他には秋葉原無差別通り魔事件、新幹線無差別殺人事件などがこれにあたるそうです。

現代社会をみると、
リストラなどの失業や年金減額、給与カットなどによる収入の問題、
職場・学校や近所付き合いなど地域やコミュニティ内での人間関係の希薄さなどから生ずる孤立化の問題、
こうした現代社会の生活のなかで、
絶望感や喪失体験、将来不安など個人が生きてゆきにくい点も沢山出てくる。
そうしたなかでの不満や憤りが自殺願望とともに社会へぶつけられる形になって、このような痛ましい事件が起きてしまうそうです。

そうであるならば、個人の現状をやり直せる機会や孤立化させないための社会システムや受け皿のようなものの必要性が考えられます。

こうした喪失や絶望、孤立化は日頃平穏に暮らしている私達も他人事ではなく、
人間誰しも将来起こらないとは限らない。

人間にはそうした脆さや危うさもあるということを考えれば、
この問題、二度とこうした悲劇を起こさないために社会全体で真剣に取り組まなければいけないと思います。