自他不二 じたふに | 心に色差す ー曹洞宗 心月寺からのお便りー

心に色差す ー曹洞宗 心月寺からのお便りー

静岡県牧之原市相良にある曹洞宗のお寺、心月寺(しんげつじ)です。
太陽が燦々と降り注ぐ、穏やかな静岡の海岸沿いより、
住職の妻が、誰にでもわかるやさしい仏教のお話を目指して綴ります。
それ以外のなんでもない日常のことも。

台風21号の爪痕も癒えないうちに、今度は北海道で地震。

真夜中の地震。どれだけ怖く、心細かったことでしょうか。

言葉も出てきません。

心よりお見舞い申し上げます。

 

今すぐにとんでいって何かをしたいけれど、現実にはなかなかできない事です。

が、例えば、ほっと一息つきたいときに、いつものコーヒーを飲む前に考えてみる。

被災地では、コーヒーなんか飲めない、大変な思いをされている方々がいらっしゃるんだな、と。

そして、コーヒーを一杯ガマンして、その分を募金箱に入れる。

それくらいならできるし、それが当たり前にできる大人でありたいな、と思います。

 

仏教の中に、『 自他不二 -じたふに 』 ということばがあるのを知りました。 

 

文字通り、自分 と 他人 は、二つではない

 

自分と、自分ではない誰か(他人)は、もちろん二人の違う人間なのだけれど、

でも、二人ではない。

つまり、自分を思うのと同じように、他人を思う、自分と他人は同じ、という意味です。

 

なかなかできることではありません。

誰だって自分がいちばんかわいい。

私ももちろん、そうです。

さらに世の中には、ものごとをナナメから見るのがカッコイイ、という流れもあります。

偽善だとか、そうじゃないとか。

 

でも、他人を思う気持ちが消えてしまえば、もう本当に世の中は何かおかしくなってしまう、と思うのです。

 

愛矢子 合掌

 

 

曹洞宗 釘浦山 心月寺