かわぞうの小説集「官能小説・ひとりごと・etc」 -159ページ目

官能小説「放課後の夜」四十七

一週間が過ぎた。

肉体は離れ離れになったが、相も変わらず良雄は、奈津子のことばかり考えていた。

初めてキスをして、それっきりになった時よりは幾分、落ち着いている。が、良雄の頭の中の大部分を奈津子が占めているということは紛れもない事実だった。

実際は、この一週間ほとんど奈津子とちゃんと話すことすら出来ていないのだが。

(どうすればいい…?)

あんな大胆な事をしておきながら、学校の中では何を話していいのかもわからない。

思っていることをそのまま言えばいいのかもしれないが、何故か素直になれない。何故か照れくさい。

こんな時、大人の男ならどういう行動をとるのか。そんなふうに考えると、心が余計に萎縮してしまう。

奈津子のほうからも、話しかけてくることはない。

良雄のクラスに来ても、普通に授業をして、終わると普通に教室を出ていく。

まるで何事もなかったかのように。

それにも苛立ちを覚える。

また駐車場で待ち伏せするというのも一つの手だ。でも、なんだか抵抗がある。

(ちくしょう!どうする…?)

いろいろ考えてみるが、一向に答えが出ない。

(先生は、どう思っているんだ?)

(何を考えてるんだ?)

考えれば考えるほど深い混沌の闇に落ちていくようだ。

それでも頭の中がくしゃくしゃになるくらいに考えて、考え抜いた。

考えずに居られなかった。

そして、その挙げ句に…

良雄はとうとう結論を出した。

しかし、それは我ながらパッとしない、少し情けないのではないかと思ってしまうようなものだった。