私的 桃太郎伝説 21 | かわぞうの小説集「官能小説・ひとりごと・etc」

私的 桃太郎伝説 21

「 よし、ではお前もついてくるということでよいな? 」



「 なんでそうなるのよ…。 」



キジは気息奄々として言いました。



桃太郎はそれには答えず、腰につけた袋から大きなキビダンゴを三つ出し、猿とキジに一つずつ与えて、自らも一つ頬張りました。



「 鬼ヶ島に行くとか言ってたわよね…。 」



「 ああ、そうだ。 」



「 怖くないの? 」



「 怖くなんかない。怖かったら鬼ヶ島に行こうなどと言っておらん。俺が恐れるのは大自然の力だけで、鬼など何ほどのものでもない。 」



「 鬼を見たこともないクセに。 」



「 お前は見たことがあるのか? 」



「 ないわ。ウワサで聞いたくらいよ。 」



「 見てみたいと思わんか? 」



「 そりゃあ思うけど…。 」



「 ならば、ついてくるがよい。奴らは金銀財宝もたくさんアジトに隠し持っていると聞く。お前にも、おいしい思いをさせてやるから。 」



キジはしばらく迷いました。鬼はキジにとってやっぱり恐ろしい相手なのですが、それに対する好奇心もないわけではありません。いや、むしろ一度は見ておきたいとすら思います。



時間はいくらでもあるし、思わぬおこぼれに与れるかもしれない。



(イヤになったら逃げればいいわ…どうせコイツら、空は飛べないんだし。)



「 いいわよ。ついて行くわ。 」



「 うん、賢明な判断だ。それに、お前はイヤになれば空を飛んでいつでも逃げられるしな。 」



キジは桃太郎の言葉にドキッとしました。